緊張感もあったマウンドで打ち込まれた小笠原。(C)Getty Images 舞い込んだチャンスは活かしきれなかった。 現…

緊張感もあったマウンドで打ち込まれた小笠原。(C)Getty Images

 舞い込んだチャンスは活かしきれなかった。

 現地時間7月6日に本拠地で行われたレッドソックス戦で、ナショナルズの小笠原慎之介が先発登板。満を持してメジャーデビューを飾った27歳だったが、2回2/3(55球)を投げ、被安打7、4失点と打ち込まれ、敗戦投手となった。

【動画】高めに浮いたボールを軽々HR…小笠原が打ち込まれた被弾シーン

 初球から強打にのまれた。先頭のネイト・イートンに外角への91.2マイル(約146.7キロ)の4シームを右前へ運ばれると、1死二塁から高めに浮いたスイーパーを弾き返されて先制点を献上。これでペースを乱した小笠原は、続くロブ・レフスナイダーに左中間に適時二塁打を打たれると、トレバー・ストーリーに高めに浮いたスライダーを左中間席に運ばれて、一挙4失点を喫した。

 3回2死から味方の失策と右前打で一、三塁とピンチを招いたところで、無念の降板。マイナーで開幕を迎えた小笠原にとって、悔しいデビューマウンドとなった。

 無論、ポスティングでやってきた27歳の“助っ人”の初陣に地元メディアは厳しい評価を下す。米スポーツ専門局『MASN』は「1回から非常に長い一日を予感させた。オガサワラの投球内容はまだメジャーリーグの舞台にふさわしいレベルに達していないように見えた」とバッサリ。「意図的かどうかは別として、初回の彼の投球は、そのほとんど(変化球を含む)はストライクゾーンの上部に集まっていた。最高92.6マイル(約149キロ)にもかかわらずである。このアプローチは日本では通用したかもしれないが、メジャーリーグで成功する確率は明らかに低い」とも断じた。

 さらに地元の大手紙『Washington Post』は、この試合後にマイク・リゾGMとデーブ・マルティネス監督を解雇した球団判断をふまえ、「オガサワラのデビュー登板はまさに終わりの始まりのようだった」と強調。「MLBでのデビュー戦を迎えた代役の先発投手は初回から息切れしていた。しかし、先発ローテの層が薄いチームは彼に頼らざるを得なかった」と皮肉交じりに小笠原の初陣を振り返っている。

「負傷者が続出したこと、リゾGMが競争力のある投手を獲得できなかったこと、春季キャンプやマイナーリーグで投球成績が振るわなかったオガサワラが『最適な選択肢』だったこと、そして関係者全員が厳しい予算の中で解決策を見つけるよう求められたこと。そうした事情が絡み合って今回の事態に至った。

 オガサワラは、この日曜日にチームが再建を余儀なくされた問題を象徴するような存在となってしまった。1月に彼が契約したことは、より近代的な組織が繁栄している東アジア市場でナショナルズが失敗していることを示している」

 早くも失格の烙印が押されてしまった小笠原。マイナーでもルーキー、A+、3Aで投げた通算6試合で1勝1敗、防御率4.50と芳しくないだけに、再びチャンスが巡ってくるかは不透明だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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