(6日、第107回全国高校野球選手権岐阜大会1回戦 県岐阜商13―4大垣養老) 三回、県岐阜商打線が火を噴く。2本塁打…
(6日、第107回全国高校野球選手権岐阜大会1回戦 県岐阜商13―4大垣養老)
三回、県岐阜商打線が火を噴く。2本塁打などで4点を奪われた大垣養老は、マウンドに背番号1の清本宙投手(3年)を送った。「このままだと立ち直れなくなる。流れを切って自分が先発の気持ちで投げよう」。だが連打を浴びて3失点。0―9と大差が開いた。
「過去は変えられない。攻撃で流れを作っていこう」。チームは気持ちを切り替えた。
すると六回、逆襲が始まる。長短3安打などで3点をかえし、七回にも1点を奪い猛追する。本田真温主将(3年)は「自分たち一人一人の勝利への意識が強かった。感動しました」と振り返る。
清本投手も四回以降は立ち直った。スライダーでカウントを取り、カーブを打たせて得点を許さない。無失点のまま八回でマウンドを降りたが、九回に次の投手が3本塁打を浴びると再度登板。後続をぴしゃりと断った。
国枝正浩監督は「粘り強さと勝負強さを課題に春以降やってきた。0―9になった瞬間はどうかと思ったが、そこからつないで点を取れたことに成長が見られた」と選手たちをたたえる。
昨秋の県大会は8強。だが「一体感はなかった」と清本投手は振り返る。春の地区大会で敗退後、自分たちを見つめ直し次第にまとまっていったという。
清本投手は「粘り強く勝負強く、チームが一つになって県岐阜商と戦えたのは良かった。後輩たちには来夏、県岐阜商を倒してほしい」とエールを送った。(高原敦)