「ミスが起こる場面や状況の違いが、勝敗を分けましたね」 クライマックスシリーズ・ファイナルステージは、楽天がソフトバンク…

「ミスが起こる場面や状況の違いが、勝敗を分けましたね」

 クライマックスシリーズ・ファイナルステージは、楽天がソフトバンクに2連勝し、対戦成績を2勝1敗とリードした。ファーストステージで2位西武を下した楽天が、勢いをそのままに先制。今季は94勝49敗と圧倒的な成績でリーグ優勝を果たしたソフトバンクにとっては、まさかの2連敗スタートとなった。

 初戦は3-2、第2戦は2-1。いずれも接戦となった2戦の勝敗を分けたのは、どこだったのか。ソフトバンクOBの斉藤和巳氏は、楽天先発陣の奮闘と、ミスが起きた状況の違いを挙げた。

「楽天は1戦目の塩見、2戦目の辛島と、先発2人がよく頑張りましたね。ソフトバンク打線は一度ノったら止まらなくなる。その打線を抑えて、接戦に持ち込めば勝機が見えるという中で、狙い通りの試合運びができたと言えるでしょう。

 ミスが起きた場面の違いも大きかったですね。象徴的だったのは、送りバントを失敗した場面。ソフトバンクにとって痛かったのは、1-1で迎えた6回の失敗でした。先頭今宮が二塁打で出て、無死二塁のチャンスを作った。ここで中村晃が送りバント失敗。次は前の打席にホームランを打った内川が打席を迎える場面だっただけに、走者が三塁に進んでいれば、犠牲フライでも勝ち越し点が入った。これは決めておきたかったですね。

 楽天も3回無死一塁で茂木が送りバントに失敗しましたが、1点をリードしている場面だったし、次の藤田がしっかり送った。もちろん追加点が欲しい場面でした。それでも試合の序盤だったし、まだ何とかなる場面でしたよね。

 野球にミスは付きもの。だけど、そのミスが起こる場面や状況の違いが、勝敗を分けましたね。ソフトバンクは、この2戦の負けに1点差以上の重さを感じていると思います」

楽天に出現した投打のキープレーヤー、宋と茂木

 試合の流れがダイナミックに変わる短期決戦で、投打のキープレーヤーが出現したことも、楽天には大きな後押しとなっている。投手では、CSでは3戦に投げ、2回2/3を1安打無失点に抑えている宋家豪投手、そして、打者ではCSファイナルステージ初戦に先頭打者弾を放った茂木栄五郎選手だ。

「宋は“隠し球”になりましたね。1軍に昇格したのは8月に入ってから。ソフトバンクにとってはイメージもデータもない投手。あれだけの高さから150キロを超える速球を投げ下ろされたら、打者はたまらないでしょう。茂木もポイントゲッターとして、いい活躍をしています。この2人が登場すると『なんとかしてくれるんじゃないか』という空気が生まれる。キープレーヤーの出現は大きいですね」

 楽天は第3戦から則本、岸、美馬とエース級の投手が先発マウンドに上がる。ウィーラーの好調が続く打線は、茂木、嶋も調子を上げてきた。状況は楽天有利で動かないが、ソフトバンクに勝機がないわけではない。「則本に打ち勝てば、そこからソフトバンクが勢いづく可能性は十分ありますよ」と斉藤氏は見る。

「ファーストステージで悔しい思いをした則本は、リベンジの思いで先発マウンドに上がるでしょう。ただでさえ打つのは難しい投手。でも、その則本を相手に、どうにか先制点を挙げられれば勝機を見出せる。リードを保って救援につなげられるかがポイントですね。

 ソフトバンクにとって追い風なのは、デスパイネにヒットが1本出たこと。ウィーラーがそうだったように、この安打をきっかけに2本目、3本目が出る可能性は十分ある。内川は状態がいいですから、中軸の2人が機能すれば、楽天にとっては脅威となるでしょう。

 第3戦以降もおそらく1点を巡る接戦になるでしょう。短期決戦では、先制点を奪い、守り抜くことが大事。単に守りの姿勢に入るのではなく、『攻撃は最大の防御』というように、常に仕掛けながらもミスを犯さない。どちらのチームがこういう試合運びをできるか。第3戦以降も見応えのある対戦になりそうですね」

 20日の第3戦はソフトバンクは和田毅、楽天は則本昂大が先発マウンドに上がる。ソフトバンクが巻き返しに出るのか、楽天が勝ち抜けに王手を掛けるのか。注目の試合は18時にプレーボールを迎える。(Full-Count編集部)