(5日、第107回全国高校野球選手権静岡大会1回戦 富岳館1―7清水東) 0―2で迎えた三回裏、富岳館はバッテリーが交…

 (5日、第107回全国高校野球選手権静岡大会1回戦 富岳館1―7清水東)

 0―2で迎えた三回裏、富岳館はバッテリーが交代した。二塁を守っていた八木飛成主将(3年)がマスクをかぶり、一塁を守っていたエースの稲葉優投手(2年)はマウンドへ。長丁場の展開をにらんだ作戦だった。

 「流れを変えるぞ」。長くバッテリーを組んできた2人は気合を入れた。失策で走者を出したが、続く打者を速球とチェンジアップの緩急で打たせて取り無失点。続く四回も無安打に抑えて流れを作ると、五回には八木主将が安打と盗塁で好機を広げ、チーム初の本塁を踏んだ。

 初めて出会ったのは、八木主将が小学4年、稲葉投手が小学3年の時。同じチームで野球を始め、中学も一緒。八木主将が「優とはあうんの呼吸」と話せば、稲葉投手も「ずっと八木さんの背中を追いかけてきた。尊敬する部分しかない」と返す仲だ。

 この日は終盤、疲れからか制球が乱れた稲葉投手を、八木主将は最後までもり立てた。くしくも相手の清水東の4番、若月凱飛(かいと)選手(3年)も小中時代のチームメートだったが、若月選手には1本の安打も許さなかった。

 負けが決まり、八木主将は「今年の経験値を来年に生かしてほしい」と稲葉投手に声をかけた。稲葉投手も涙を見せながら「来年は自分がチームを引っ張りたい」と誓った。(滝沢貴大)