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NBAが主催する国際大会「NBAライジングスターズ・インビテーショナル」が6月25〜29日、シンガポールで開催され、京都精華学園高校(京都府)が見事優勝を果たした。その中心で躍動し、大会MVPに選ばれたのが2年生ガードの吉田ひかりだ。
吉田は4試合で平均11.75得点6.75アシスト5.25リバウンドを記録。圧巻だったのは決勝と準決勝でのパフォーマンスだ。
準決勝(vs 清華大学附属高級中学)では12得点7リバウンド10アシストのダブルダブルを達成。続く決勝(vs 温陽女子高校)でも11得点6リバウンド13アシストと試合を支配した。予選ラウンドでも、ヒンファ高校戦で12得点6リバウンド4アシスト、ファチョン校戦で12得点と安定した活躍を見せた。
吉田の魅力はスピードは相手ディフェンスを翻弄し、加えて、チームのトランジションの速さを最大限に引き出せること。その機動力と判断力は、京都精華のスタイルを象徴する存在として際立っていた。
表彰式終了後、吉田はMVP受賞について「まったくもらえると思ってなくて、本当にうれしいし、びっくりしています」と笑顔を見せた。「みんなのおかげです」と話すその言葉通り、吉田のプレーはチームメイトを生かすことに徹していた。特に中学時代からコンビを組むンガルラムクナリヤとの連携は随所に光り、「中学生からの同級生ですし、頼もしいです」とその信頼感をにじませた。
吉田は今大会を通じて、ゲームコントロール、アシスト能力、リーダーシップなど多くの面で成長を示した。数字以上に、チーム全体に安心感と勢いをもたらすプレーで、京都精華の頂点到達を支えた存在といえる。
現在、インターハイ3連覇中の京都精華は、今夏4連覇という偉業に挑む。吉田は「日本に戻っても頑張ります」と短く力強く語り、さらなる高みを目指している。
文=入江美紀雄
【動画】吉田のスピードが際立った決勝戦ハイライト