角田にリスペクトを示したハジャー。(C)Getty Images 激しい競争の中で立場は危うさを増している。レッドブルの…

角田にリスペクトを示したハジャー。(C)Getty Images
激しい競争の中で立場は危うさを増している。レッドブルの角田裕毅だ。
去る3月27日に姉妹チームのレーシングブルズからレッドブルに加入した角田。シート交代を余儀なくされたリアム・ローソン(現レーシングブルズ)の不振もあって、大きな期待を背負った25歳の日本人だったが、そこから9戦で合計獲得ポイントはわずか7と状況は芳しくない。
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もっとも、現在はレッドブル自体も不振を極めている。6月29日に行われたF1第11戦オーストリアGPでは、マックス・フェルスタッペンも他車にぶつけられて1周目でリタイア。角田も完走したドライバーでは最下位の16位と低迷し、2022年開幕戦バーレーンGP以来、3年ぶりにノーポイントに終わった。
直近4戦連続で入賞を果たせず、ポジティブな結果を残せずにいる角田には、一部で批判が集中。わずか半年にも満たない期間で更迭論まで飛び出す始末となっている。
ただ、常勝軍団の苦しい現状はレッドブルが招いた結果とも言える。彼らはエースであるフェルスタッペンが走りやすいマシン開発にこだわり、チームメイトたちが扱いにくいものへと変えていった。それだけに昇格前に異彩を放っていた角田のポテンシャルに信頼を寄せる声は消えない。
とりわけ厚い信頼を寄せるのは、レーシングブルズの新人であるアイザック・ハジャーだ。弱冠二十歳の若武者は、ドライバーズランキングで角田と11ポイント差の11と上に立っているが、彼に驕りは見られない。英衛星放送『Sky Sports』において「あそこで何が起こっているのかは詳しく分からない」と前置きした上で、こう続けている。
「一つ言えることは、ユウキは本当に速いということだ」
以前から角田について「彼から学びたい」とリスペクトを示していた20歳。すでに複数の現地メディアでは、来季もしくは今季中に角田との電撃的な交代を果たすのではないかという見方も出たほどだが、ハジャー本人は「今の契約を結んだ時から目標はレッドブルに入ること。それは変わっていない」とした上で「完全に自分やマシンをコントロールできているわけではない。とにかく毎週末ポイントを獲得しているだけだよ。まだまだ学ぶべきことはたくさんあるし、今はこの自分のポジションを維持する方が理にかなっている」とルーキーシーズンでの早期昇格に難色を示した。
角田の不振が長引けば、ハジャーの昇格待望論も活発化する。それだけの両雄のパフォーマンスから目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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