オーストリアGPで低迷し、強張った表情を見せた角田。(C)Getty Images 結果を求められた一戦で見せ場なく終わ…

オーストリアGPで低迷し、強張った表情を見せた角田。(C)Getty Images
結果を求められた一戦で見せ場なく終わり、レッドブルの角田裕毅はかつてないほどに追い込まれる形となった。
現地時間6月29日、F1の今季第11戦となるオーストリアGPの決勝が行われ、18番グリットからスタートした角田は、完走した16台中最下位でフィニッシュ。レース中に痛恨のペナルティーを受けるなど、最後までペースを上げきれなかった。
前日の公式予選でQ1敗退となっていた角田は、「明日のポイント獲得の可能性はない」(チーム顧問のヘルムート・マルコ博士談)という指摘通りに低迷。「ペースそのものもかなり悪かった」と振り返ったように序盤から全くタイムを伸ばせず、レース中盤の31周目にはアルピーヌのフランコ・コラピントと接触。10秒のタイムペナルティーが科されて万策尽きた。
優勝したランド・ノリス(マクラーレン)から2周遅れとトップから大きく引き離されての最下位。この屈辱的な結果は、今年4月の日本GPから緊急昇格して以降、上位争いに絡めない低迷が続き、夏休み中の電撃交代も取りざたされる角田にとってはあまりに痛恨だった。
正念場の一戦で犯してしまった大失態。「何が間違っているのかが分からない」と呆然とする角田だが、周囲の風当たりは強まる一方だ。
かつてルノーに所属した元F1ドライバーのジョリオン・パーマー氏は、英衛星放送『Sky Sports』の解説において「レッドブルの奇妙な姿がまたもや明白になった」と指摘。エースドライバーであるマックス・フェルスタッペンがリタイアを余儀なくされた今GPで見えた角田の力量を断じている。
「今のレッドブルはマスター級のエースドライバーがリタイアした途端に、チーム全体が最後方の集団に沈んでしまうんだ。2人のドライバーの実力に非常に大きな隔たりがありすぎるせいで、何らかの形でエースドライバーを失った瞬間に、修復不能なほど大きな打撃を受けてしまう」
親会社のお膝元で見せてしまった無残なレース。最後まで精彩を欠いた角田のパフォーマンスが、シーズン途中の“電撃解雇”へのカウントダウンをスタートさせるものになってしまった感は否めない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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