マシンを扱い切れずに、自信を喪失している角田。その心理的な影響は結果に表れている。(C)Getty Images 現地時…

マシンを扱い切れずに、自信を喪失している角田。その心理的な影響は結果に表れている。(C)Getty Images

 現地時間6月29日、F1の今季第11戦となるオーストリアGPの決勝が行われ、最後尾の18番手でスタートしたレッドブルの角田裕毅は、完走した16台中最下位でフィニッシュとなった。

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 もどかしさばかりが募る週末となった。前日の公式予選で1回目(Q1)からタイムを伸ばせず、まさかのQ1敗退となっていた角田は、この日もレッドブルのマシン『RB21』の操作に苦心。最初から最後までペースを上げられずにいると、31周目にはアルピーヌのフランコ・コラピントと接触。これによって10秒のペナルティを科され、優勝したマクラーレンのランド・ノリスから2周遅れという屈辱的な結果となった。

 4戦連続で入賞を逃す惨敗に、本人も肩を落とす。レース後にF1公式のフラッシュインタビューに応じた角田は、「正直、フランコ(・コラピント)との接触は、不要なものだったと自分自身も思っている」と釈明。その上で、自身のパフォーマンスを猛省した。

「何が間違っていたのかはわからないけど、少なくとももう1周待つべきだった。(追い抜こうとした判断には)自分でも驚いている。レースのペースそのものもかなり悪かった。もっと深く分析する必要があるけど、なんでこんなに遅いのか。その理由を見つけるのが現状では本当に、本当に難しい」

 決勝が折り返しも迎えていない段階で、10位以内に入賞する望みをほぼ断たれてしまった角田。かつてないほどの大不振には、批判も当然のように付きまとう。3月27日のレッドブル昇格以降の9戦で獲得したポイント(4)の少なさも影響し、彼の更迭を唱えるメディアやファンの声は苛烈化している。

 そうした中で、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、米スポーツ専門局『ESPN』のインタビュー内で「私は彼を助けていきたい」と角田に寄り添う考えを明らかにしている。

「今はユウキと一緒に何が悪かったのかを理解する必要がある。なぜなら、フリー走行の2回目と3回目で、彼はいたって大丈夫そうに見えたからだ。しかし、彼は予選で崩れ落ちてしまい、決勝ではさらにひどいレース展開となってしまった。

 集団の後方を走っているときの彼は自信を失っているように見えるし、フランコのマシンとの接触に関しては私も理解に苦しむ部分があった。ユウキだけでなく私にもフラストレーションが溜まる状況となったが、すぐに彼とともに(チームのファクトリーがある英国の)シルバーストーンへ移動して、この問題を乗り越えるために彼を助けていきたい」

 電撃解雇が“カウントダウン”に入ったとも騒がれる角田。厳しい競争下で生き残る上で、彼は間違いなく崖っぷちに立たされている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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