■1位指名は清宮か、否か

 今年の超目玉は清宮幸太郎(早稲田実)だろう。歴代最多となる高校通算111本塁打を誇るスラッガーは、実力のみならず人気面でも超高校級。特にパ・リーグでは、指名打者制度があるため、早いタイミングでプロデビューさせやすいメリットもある。この清宮を競合覚悟で狙いに行くのか、他の候補を指名するのか。各球団の選択が問われそうだ。

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■長期的視野で指名するソフトバンク。西武・楽天は即戦力も?

 今季、圧倒的な強さで2年ぶりのリーグ優勝を果たしたソフトバンク。厚い戦力層を誇り、毎年のように将来有望な高卒選手を指名する傾向にある。清宮本人が憧れを口にする王貞治氏が球団の取締役会長兼GMということもあり、今年は清宮の1位指名が有力視。ただチーム事情を見ると、先発・救援問わず左腕のコマ数が不足している。そこでリストの上位に位置する田嶋大樹(JR東日本)や東克樹(立命館大)、高橋遥人(亜細亜大)といった即戦力サウスポーや、右腕でも高卒の石川翔(青藍泰斗)や田中瑛斗(柳ヶ浦)の指名に踏み切る可能性も否定はできないだろう。
 今季4年ぶりのAクラスとなった西武は、山川や外崎、森など将来有望な野手が活躍し始めているのに対し、投手陣の層は厚くはない。加えて、以前からメジャー志望を口にするエース・菊池の退団も見据えて、清宮よりも即戦力左腕の重要性が高いだろう。上記の3人のサウスポーに加え、齋藤大将(明治大)も熱心に視察を続けているようだ。ただ西武は、4年連続で1位指名有力候補を一本釣りと、巧みな戦略を見せる球団である。今年も各球団が清宮指名に踏み切る中、清宮のライバルとされる安田尚憲(履正社)の指名があっても何ら不思議ではない。
 3位の楽天は、則本、岸、美馬の先発三本柱に加え、安樂や藤平といった逸材が順調に力をつけている。それに対し、野手陣では日本人の長打力不足が深刻で、外国人に頼らざるを得ない状況だ。そこで清宮や安田に加え、前野幹博(ヤマハ)や今秋のリーグ戦で評価を上げた岩見雅紀(慶応大)といった和製スラッガーたちも候補となっているようだ。

■オリックス・ロッテも即戦力重視。例年「No.1」指名の日本ハムも?

 昨年は山岡の単独指名に成功し、見事に1年目から戦力としたオリックス。チーム編成上、一塁と外野に選手層が偏っていることもあり、清宮指名の可能性は低いだろう。そう考えると、即戦力左腕の指名が有力で、特に田嶋の動向を追いかけているとの報道が目立っている。また守護神・平野のメジャー挑戦も伝えられる中、最速157キロを誇る鈴木博志(ヤマハ)を筆頭に、鈴木康平(日立製作所)、西村天裕(NTT東日本)など馬力のある右腕の指名も予想される。
 昨年の日本一から今季はリーグ5位に沈んだ日本ハム。谷元やメンドーサがシーズン途中に退団するなど、近い将来の栄光に向けて育成にかじを切った印象がある。また、今オフには大谷のメジャー挑戦が有力な中、次世代スターの獲得は急務だ。毎年「1番の評価をした選手を指名」と公言していることもあり、清宮が指名される可能性は高い。また将来の正捕手候補として中村奨成(広陵)もマークしているようだ。他に上位候補として、地元の右腕・阪口皓亮(北海)を追いかけているとの報道もある。
 最下位に沈んだロッテは、全ポジションが補強対象といっても良いだろう。野手では清宮はもちろんのこと、右のスラッガーである増田珠(横浜)や即戦力とされる藤岡裕大(トヨタ自動車)、ともに日立製作所の菅野剛士田中俊太あたりを上位で獲得しても面白いだろう。投手では、田嶋や鈴木博に加え、昨年から宮台康平(東京大)を追いかけているようだ。

 今季は2016年の3位指名だったトヨタ自動車出身の源田壮亮(西武)が、新人王候補筆頭に挙がる活躍を見せるなど、順位と実力は必ずしも一致しないことはドラフトでは多々ある。今年も驚きの順位で指名される選手を探しながら見るのも面白いだろう。運命のドラフト会議は10月26日に行われる。

※データはすべて2017年10月17日終了時点