真価の問われたオーストリアでふたたび失速した角田。(C)Getty Images 真価が問われたオーストリアでも厳しい週…

真価の問われたオーストリアでふたたび失速した角田。(C)Getty Images

 真価が問われたオーストリアでも厳しい週末を迎えた。

 現地時間6月28日、F1第11戦のオーストリアGP(決勝29日)の公式予選が行われ、レッドブルの角田裕毅は予選1回目(Q1)で全くタイムを伸ばせず……。まさかのQ1敗退による18位となった。

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 3月27日の電撃昇格以来、このオーストリアGPまでの8戦で4ポイントとほとんど上位争いに絡めずに低迷が続く角田。親会社レッドブルのお膝元が舞台となった今GPは、27日のフリー走行2回目(FP2)で7番手、公式予選前に行われた同3回目(FP3)で9番手のラップタイムをマークする手応えを掴んでいた。だが、“本番”ではふたたび苦闘した。

 Q1の最初のアタックで1分5秒386をマークし、全体5番手につけた角田だったが、その後は後退。続々とタイムを上げていったライバルたちに弾き出され、瞬く間にQ2進出圏外に。逆転を狙った2度目のアタックもラップタイムは1分5秒369と伸びずに、第7戦のエミリア・ロマーニャGP、第9戦のスペインGPに続く3度目のQ1敗退の憂き目にあった。

 更迭論が飛び交う状況での撃沈。何よりも残したかった結果を得られなかった本人は、F1公式のフラッシュインタビューで「車のバランスがおかしかった。1回目のアタックはよかったけど、2回目がなぜかよくなかった」と呆然。マシンへの苛立ちをぶつけるかのように、こう続けている。

「ただ、ウォームアップラップでは何の問題もなかった。フリー走行までは順調にきていただけに、このような結果になって本当にフラストレーションがたまる。なぜこうなってしまったのか。チームのエンジニアに聞いてみないとわからない」

 いまだ改善されない大不振の原因は不明であり、マシンの改善は必須の状況ではある。とはいえ、今まで以上に結果を求められる立場にあった角田にとって、今回の予選における停滞が痛恨なのは言うまでもない。

 その事情を伝えるオランダのモータースポーツ専門サイト『Racing News365』も「ユウキ・ツノダはレッドブルの新たな惨劇に見舞われた」と指摘。最後尾で決勝を迎える結果を「悲惨」と評し、「またも挫折を味わったツノダは、レッドブルに加入して以来、明らかにスピードを出すのに苦労している」と断じている。

 更迭論がしきりに語られる中で、大不振に陥った角田。決勝での挽回にかすかな希望は残っているものの、ポイント獲得への道のりは限りなく険しい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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