厳しい戦いの中で角田には逆風も強まっている。(C)Getty Images レッドブルの角田裕毅に求められるのは、やはり…

厳しい戦いの中で角田には逆風も強まっている。(C)Getty Images

 レッドブルの角田裕毅に求められるのは、やはり“結果”だ。

 去る3月27日にレッドブル緊急昇格以来、時間をかけながら「操作困難」とされるマシン『RB21』に適応してきた角田。リアム・ローソンとのシート交代後に実施された日本GPから8戦で4ポイントと乏しい成績に終わっているが、「時間と自信さえあれば、パフォーマンスは向上する」と語るクリスティアン・ホーナー代表をはじめとする首脳陣の信頼は揺らいでいないように見える。

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 それでも角田が戦うのは“常勝軍団”。熾烈な競争下で結果を残せなければ、周囲からの厳しい指摘は苛烈さを増す。現地時間6月21日には、オランダのモータースポーツ専門サイト『Racing News 365』のポッドキャスト番組が、25歳日本人の現状をクローズアップ。同メディアの創設者でF1ジャーナリストでもあるルート・ディマーズ氏と、レーシングドライバーのティム・コロネル氏が厳しい見方を伝えた。

 先日に開催されたF1第10戦となるカナダGPでの走りも厳しい評価を頂戴した。

 角田は、公式予選で全体11番手のタイムを記録するも、FP3で赤旗中断中に他車を追い抜いたとして、10グリッド降格のペナルティが課せられた。この本人が「ふざけたペナルティ」とぼやきもした違反によって決勝は18番グリッドからの出発となり、怒涛の追い上げも実らず。最終的に12位でチェッカーフラッグを受けた。

 まず、ディマーズ氏は、公式予選での違反について「前方を走る車には接近していたし、あれはセーフティカーのせい(でオーバーテイクを回避できなかったん)だ」と指摘。一定の理解を示しながらも「ただ、あのレッドフラッグ(フリー走行での赤旗中の追い越しによるペナルティ)は彼の責任だ。あんな風に台無しになってしまう。またしても予選トップ10入りを逃したんだ」と糾弾した。

 さらに現役レーサーでもあるコロネル氏は「セルジオ・ペレスのレベルにも及んでいない」と強調。21年から昨季までレッドブルでセカンドドライバーを務めていた男を比較対象にして角田の現状を断じている。

「ペレスはレッドブルでマックス(・フェルスタッペン)に次ぐ最高のドライバーだった。もしも、私が他のチームだったら、すぐに彼に電話すると思う。アルピーヌが密かにやっているようにね。彼は他のドライバーを凌駕し、少なくともマックスを助けられる存在ではあったんだ」

 角田の貢献度の低さを語るコロネル氏は「無理をすれば何かが起こる。彼は無理をするから、ああいうミスも起こる」と強調。これに同調するディマーズ氏も「(角田が)予選後に最高の予選だったと褒められても、自分は11位で、チームメイトはポールポジション争いをしている。その差はあまりにも大きい、信じられないほど大きい」と嘆いた。

 悔しいミスやペナルティが続き、真価を発揮しきれずにいる角田。周囲からの逆風を吹き飛ばすためにも「結果」をコンスタントに残すことを期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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