角田と言葉を交わすアルボン。(C)Getty Images F1の常勝軍団であるレッドブルの苦闘が続いている。 今季のF…

角田と言葉を交わすアルボン。(C)Getty Images
F1の常勝軍団であるレッドブルの苦闘が続いている。
今季のF1は10戦を消化した時点でコンストラクターズランキングは、1位のマクラーレンと212ポイント差の4位と低迷。ドライバーズランキングにおいても絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンが、トップのオスカー・ピアストリと43差で後塵を拝している。
【動画】フェルスタッペンに迫った好レース 角田裕毅の快進撃を見る
今季は第2戦を消化したタイミングで、姉妹チームであるレーシングブルズから昇格させたばかりだったリアム・ローソンを更迭。角田祐毅とのシート交代という“ショック療法”を試行したが、25歳の日本人も操作困難とされるマシン『RB21』に苦心。ポイント量産には至っていない。
そんな名門の不振に対して「経験から言えることだが(レッドブルでは)自分も苦労した」と分析するのは、元レッドブルのドライバーで、現在ウィリアムズに所属するアレクサンダー・アルボンだ。
2019年から約1年半に渡って、フェルスタッペンを支えるセカンドドライバーとして活躍したアルボンは、米専門メディア「PLANETF1」で、自身を含めた多くのドライバーたちがレッドブルに馴染めない理由について問われ、「あのマシン(RB21)が危険な状態にあるからだ」と断言した。
「あのマシンはマックスなら運転できるが、僕は苦労したよ。今の経験があれば乗り越えられるかもしれないが、ほとんどのドライバーにとって自然に感じられるものではないんだ。それは今誰もが目にしている光景から明らかだろう」
レッドブルが「フェルスタッペンが勝つために開発した」とも言われる“天才仕様”のRB21。その癖は角田も「正直、本当に難しい」と漏らしたことがあるほどの“厄介さ”がある。
そんな難解マシンについてアルボンは、「自分の解釈では、レーシングブルズの方が非常に扱いやすい」と指摘。姉妹チームとの質の差を訴えている。
「レーシングブルズのマシンは、非常にバランスが良くて、非常に安定しているから、大きな自信を与えてくれる。なぜなら、あのチームは常にルーキーがいる。だからこそ、そういうマシンになったんだと思う。でも、レッドブルはほとんど極端な例で、扱いやすいマシンから、トリッキーなマシンに移行することになる。だから、全く異なる2台のマシンに適応しなければならないんだ」
多くの名手たちが苦悩するレッドブルのマシン。その難しさを体験しているアルボンは、「ドライビングの側面、細かい部分はすべて重要な要素になる」と強調。「マシン、タイヤ、エンジニアリング、自分のスタイルなどを理解することだ。そして一番は、セカンドドライバーとしてあらゆる雑音に対処することだ」と助言した。
果たして、OBの言葉は一部で更迭論も叫ばれる角田にどう響くだろうか――。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「満足できるものではない」重鎮マルコが角田裕毅を名指し批判! 即時交代は否定も苛立ち隠さず「マックスに慣らし期間は必要ない」
【関連記事】再びポイント未獲得も評価上々はなぜ? カナダGPで角田裕毅が認められた理由「実際のところマックスに近づいている」
【関連記事】今季中の電撃交代は白紙か レッドブル重鎮が角田裕毅に寄せた信頼と“課題”「計画ではユウキはシーズンを完走する」