今季は出場機会のない吉田。そんなベテランにチャンスが舞い込みそうな情勢となっている。(C)Getty Images 米球…

今季は出場機会のない吉田。そんなベテランにチャンスが舞い込みそうな情勢となっている。(C)Getty Images
米球界が騒然となるメガディールだった。現地時間6月15日、レッドソックスは、ジョーダン・ヒックス、カイル・ハリソン両投手に2人のトッププロスペクトを加えた計4選手と引き換えに、主砲のラファエル・デバースをジャイアンツにトレードすると正式発表した。
2023年オフには、翌年からの10年総額3億1350万ドル(約453億円)の大型契約を結んでいたデバース。文字通り「球団の顔」として期待されていた28歳だったが、昨オフから自身の起用法を巡ってチーム上層部と衝突。その歪みが表面化し、「レッドソックスは我慢の限界」(地元紙『Boston Globe』の番記者であるピート・エイブラハム氏のX投稿より)となって、まさかの放出となった。
球界内で様々な考察が展開された電撃トレードの余波は広まっている。その中で小さくない影響を受けそうなのが、レッドソックスに所属する吉田正尚だ。
昨年10月に右肩を手術した吉田は、今季は早々と負傷者リスト入り。打撃こそ春季キャンプから100%の状態でこなせていたが、肩への負担から守備機会は設けられておらず。デバースがDHを務めていた影響で、今季はここまで出場機会はゼロとなっていた。
そんな状況下でDHのスポットが突如として空席となった。そのため、吉田に主砲の穴埋め役としての期待が膨らんでいる。32歳の日本人スラッガーについて「予想よりも早く復帰する道が開かれるかもしれない」と伝えたMLB公式サイトのレッドソックス番のイアン・ブラウン記者は「プロセスを早められるかを検討する」としたアレックス・コーラ監督のコメントを伝えている。
「マサがバットを振れることは分かっている。今は、(リハビリ過程として)打席に立つことや、肩のリハビリを尊重することも重要にはなる。ただ、様々な問題があるにせよ、できるだけ早く決定を進めていくつもりだ」
さらに「ここ数年、彼が健康だった時の調子を我々は見てきた。素晴らしい打席ばかりだった。力強い打撃もするし、四球もしっかり取れる。先走りはしたくないが、どう起用するかは考えがある」としたコーラ監督。一連のコメントから、レッドソックスが、デバースの穴埋めに吉田を想定しているのは間違いないと言えよう。
ゆえに地元局も吉田の“抜擢”を予測する。「ヨシダの復帰はレッドソックスにとって幸運となる」としたスポーツ専門局『NESN』は「彼が外野でボールを投げられるようになるまでにはもう少し時間が必要かもしれないが、指揮官はDHでのみの起用をほのめかしている」と伝えている。
急転直下のトレードで舞い込んだチャンス。あくまでリハビリ優先ながら、吉田がどうモノにするかは大いに注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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