サッカー日本代表がワールドカップ予選を終えた。だが、アジア予選は、まだ終わらない。これから4次予選、そして大陸間プレー…
サッカー日本代表がワールドカップ予選を終えた。だが、アジア予選は、まだ終わらない。これから4次予選、そして大陸間プレーオフまで続いていくのだ。日本と同様、出場を決めた5か国の「実力」と、終わらない予選の「行方」を、サッカージャーナリスト大住良之が読み解く!
■敗退が「決まった」6か国
日本など6チームの決勝大会出場権獲得とともに、中国など6チームの「敗退」も決まって、2026年ワールドカップ「北米大会」のアジア3次予選(一般に最終予選)が終了した。
出場権を獲得したのが、A組からイランとウズベキスタン、B組から韓国とヨルダン、そしてC組から日本とオーストラリア。一方「敗退」が決まったのは、A組からキルギスと北朝鮮、B組からパレスティナとクウェート、そしてC組から中国とバーレーンである。
だがもちろん、これで「アジア予選」が終わったわけではない。各組3、4位に入ったアラブ首長国連邦(UAE)、カタール(以上A組)、イラク、オマーン(B組)、そしてサウジアラビア、インドネシア(C組)の6チームは、10月に行われる「アジア4次予選」に進み、アジアに与えられた8枠の残り2枠を目指す。
さらに、残された4チームのうち2チームは「アジア5次予選」を戦い、それに勝つと来年3月に予定されている「大陸間プレーオフ」に最後の希望を託す。
来年6月11日に開幕するワールドカップまで、日本など6か国は、1年間を親善試合などで大会に向けたチームづくりを行うが、「これからが勝負」という国もあるのである。今回は、昨年9月からの「3次予選」での戦いぶりから、日本以外の出場決定5チームと、4次予選に進む6チームの状況を概観したい。
■強力な攻撃陣を誇る「伝統国」
【出場権獲得チーム】
●イラン(4大会連続7回目)
A組を勝ち抜いたのはイラン。日本と同じ7勝2分け1敗、勝ち点23。3月25日にホームでウズベキスタンと2-2で引き分け、アジアでは日本に次ぎ2チーム目の出場決定となった。1978年アルゼンチン大会で初出場を果たし、2014年のブラジル大会以来4大会連続、通算7回目のワールドカップ出場となった。
3次予選の初戦はキルギスを相手にホームで苦戦したが、エースのメフディ・タレミ(インテル・ミラノ)のゴールで辛勝。以後、着実に勝点を積み重ね、終始グループをリードした。2023年から指揮を執るアミール・ガレノエイ監督(イラン)は冷静そのものの人で、相手の弱点を見抜いて巧みにそこを突くサッカーを得意とする。
過去6回の大会では、常に勇敢そのものの攻撃的な姿勢を貫き、勝点なしで終わったことは一度もないが、すべてグループステージで敗退している。3次予選でエースのタレミと並ぶ5得点を記録したモハマド・モヘビ(ロストフ)、そして4得点を挙げたサルダル・アズムン(アルアハリ・ドバイ)という強力攻撃陣をどう生かすか。
■初出場に結びついた「育成努力」
●ウズベキスタン(初出場)
A組2位でワールドカップ初出場を果たしたウズベキスタンは、現在のアジアで最も注目を集めるチームのひとつだろう。アジアの年代別代表では常に優勝を争う活躍を見せ、その「育成努力」がワールドカップ出場に結びついた。
3次予選で4得点を挙げて攻撃を牽引した攻撃的MFのアボスベク・ファイズラエフ(CSKAモスクワ)はそのシンボル。170センチと小柄な21歳の選手だが、スピードに乗ったドリブルはどんな相手でも切り裂いていく。
監督はティムール・カパーゼ(ウズベキスタン)。このチームは2021年からスロベニア人の名監督スレチコ・カタネッツが手塩にかけて育ててきたが、今回の3次予選の最中、昨年末に健康上の理由で退任、かつてウズベキスタン代表の中盤の中心選手だったカパーゼ(代表出場119試合)が後を継いだ。そして今年に入ってからの4試合を2勝2分けで終え、ワールドカップ初出場という偉業を成し遂げた。