「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」山口 翔 やまぐち・しょう熊本工高投手・右投右打・180センチ70キロ・1999年4月28日生(18歳) 最速152キロを叩き出す素材型右腕。スリークォーターのしなやかなフォームからストレートに加え、カ…

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

山口 翔 やまぐち・しょう
熊本工高
投手・右投右打・180センチ70キロ・1999年4月28日生(18歳)

 

最速152キロを叩き出す素材型右腕。スリークォーターのしなやかなフォームからストレートに加え、カーブ・スライダー・カットボール・フォークをはじめとする豊富な変化球も備える。

熊本県熊本市出身の山口はここまで一貫して地元でプレー。市立日吉小4年時に軟式・日吉少年野球クラブで野球を始めると、市立日吉中では同校軟式野球部で活躍。熊本工高では1年秋からベンチ入りし、2年夏の2回戦では2安打16奪三振1失点で完投。準々決勝ではセンバツベスト4の秀岳館にロングリリーフで互角に渡り合い最速144キロ。九州地区を代表する速球投手となった。

さらに2年秋には公式戦8試合64イニングを投げ、最速149キロを出し防御率1.69で九州大会ベスト4へチームを導く奮闘。10年ぶりのセンバツ出場を自らの右腕でつかんだ。
ただ、智辯学園(奈良)相手のセンバツ初戦は苦いものに。高めに抜けるストレートが目立ち、8四球を与えて9失点敗退。完投で奪三振6・最速148キロを出した一方で課題が残るマウンドとなった。

しかし、この苦みは山口を一回り大きくする材料になった。高校生活最後の夏。熊本大会では7回からのリリーフ登板となった3回戦で敗れ2季連続での甲子園出場はならなかったが、初戦では136球目に自己最速152キロ、続く137球目も150キロと搭載エンジンの高さを見せて11奪三振2失点完投。続く城北戦でも148キロを出して4安打7奪三振1失点完投とスタミナの部分でもアピールを果たした。

四死球の多さはプロの世界で可及的速やかに修正すべきポイントであるものの、それを補って余りある球速はやはり魅力。「火の国」熊本で育った山口は、上の世界での飛翔を期す。