故障の不安から守備機会を得られずにいた吉田。(C)Getty Images 衝撃的なメガディール締結で米球界に激震が走っ…

故障の不安から守備機会を得られずにいた吉田。(C)Getty Images
衝撃的なメガディール締結で米球界に激震が走った。現地時間6月15日、レッドソックスは、ジョーダン・ヒックス、カイル・ハリソン両投手ら4選手と引き換えに、主砲のラファエル・デバースをジャイアンツにトレードすると正式発表した。
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現在28歳のデバースは、2017年メジャーデビューを飾った生え抜きのスラッガー。その期待値は高く、2023年オフには、翌年からの10年総額3億1350万ドル(約453億円)の大型契約を結んでいた。
長期的な「球団のアイコン」になるはず――だった。
“歪み”が生じたのは、昨オフにレッドソックスが積極補強を見せたあたりから。アストロズからFAとなっていた三塁手のアレックス・ブレグマンを獲得すると、デバースは愛着のあった三塁から指名打者に配置転換。球団からは「グラブは片付けておけ。DH以外のポジションで起用することはないと思うから」と命じられていたという。
これをしぶしぶ受け入れていたデバースは、今季73試合出場。打率.272、15本塁打、58打点と主力打者として奔走。「打者専任」の役割を全うしていたが、5月3日に正一塁手であったトリストン・カサスが左ひざの大怪我を負傷。今季絶望の状況となると、レッドソックスはデバースに一塁への配置転換を持ち掛ける。
この定まらない球団判断に本人の不満が爆発。「チームが自分をこの状況に追い込んだと考えている。彼らは僕に『他のポジションを任せたくない』とも言っていたんだ。だから今度は球団が本来の仕事をきちんとやるべきだ」と公言してもいた。
こうした背景があった中でのトレードは小さくない衝撃を生んだ。地元紙『Boston Globe』の番記者であるピート・エイブラハム氏が伝えた“球団の事情通”のコメントによれば、「レッドソックスが提示した3億1350万ドルの契約には『チームにとって正しいことをする責任』が伴うと考えていた。しかし、デバースはその責任を果たしていなかった。もう彼らは我慢の限界で、今回のトレードした」という。つまり球団にとってもデバースの態度を不服とする意志があったとみられている。
遺恨を抱えたままに大砲はチームを去った。その影響は計り知れないが、必然的にデバースが埋めていたDHの枠が空席となる。これによって、チャンスが舞い込みそうなのが、吉田正尚だ。
昨年10月に右肩を手術し、開幕から負傷者リスト入りしている吉田。春季キャンプから100%の状態で打撃はできていたが、肩への負担から守備機会は設けられておらず。今季はここまで出場機会はゼロとなっていた。
そうした中でDHのスポットに吉田が当てられる可能性が急浮上した。球界のありとあらゆる移籍情報を発信する米メディア『MLB Trade Rumors』は、「少なくとも理論上は、チームが短期的な穴を埋めるためにマサタカ・ヨシダにレッドソックスが頼る可能性もある」と指摘。31歳の日本人スラッガーの怪我の状態をふまえた上で「スローイングに問題を抱えていたヨシダは、レッドソックスの打線にとって、難しい存在となっていたが、今回のデバース退団によって予想よりも早く戦列復帰することも十分にありえる」とした。
レッドソックスがデバース退団の穴埋めをいかに進めるのか。そして、そのプロジェクトに吉田がどう組み込まれるのか。揺れる名門の戦略が注目される。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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