【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返る宝塚記念【Pick Up】メイショウタバル…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返る宝塚記念
【Pick Up】メイショウタバル:1着
父ゴールドシップは2013、14年に当レースを連覇しているので、親仔制覇となります。その父ステイゴールドは宝塚記念で2、3、4、4着と勝っていませんが、産駒が宝塚記念を通算5勝(ゴールドシップ2勝、オルフェーヴル、ナカヤマフェスタ、ドリームジャーニー)。渋った馬場と阪神コースへの適性はこの系統のストロングポイントです。
ステイゴールドの直系の孫であるメイショウタバルは、道悪の鬼で、なおかつ阪神芝では3戦全勝。さらに、気性的な難しさがあるという、いかにもステイゴールド系らしい競走馬です。ひとつ前の阪神10R花のみちS(3勝クラス・芝1600m)は、稍重で1分32秒6という速い決着。ただ、宝塚記念のレース後のジョッキーコメントを読むと、緩めの馬場を敗因に挙げる騎手が散見され、少なくとも硬い馬場ではなかったようです。重馬場の毎日杯で後続を6馬身ちぎり、1分46秒0という良馬場並みの時計で駆け抜けた能力は、やはり伊達ではありませんでした。
母の父フレンチデピュティはパワーを伝える血で、ステイゴールドと相性抜群。「父ステイゴールド系、母の父フレンチデピュティ系」というパターンから、これまでにレインボーライン、マルシュロレーヌ、スルーセブンシーズといった大物が出ています。スルーセブンシーズ(父ドリームジャーニー)は2年前の宝塚記念で10番人気ながらイクイノックスの2着に食い込みました。
メイショウタバルの通算成績は[5-0-0-6]。1着か大敗か、というタイプなので、今後もコンスタントに上位争いを繰り返すわけではないかもしれませんが、好走条件が揃えば大駆けを果たすはずです。
◆血統で振り返る函館スプリントS
【Pick Up】カピリナ:1着
キーンランドCと葵Sを勝ったレイハリアの半妹。母ライトリーチューンはバウンシーチューン(フローラS)の4分の3妹で、現役時代は未勝利に終わりましたが、ブルードメアサイアーとして定評のあるマンハッタンカフェを父に持つ効果か、繁殖牝馬として2頭の重賞勝ち馬を産みました。
ちなみに、「母の父マンハッタンカフェ」は、タスティエーラ、ソウルラッシュ、メイショウハリオ、テーオーロイヤル、テーオーケインズ、ペプチドナイル、セラフィックコールなど多くの活躍馬が出ており、2024年の総合ブルードメアサイアーランキングは3位、今年は現時点で5位です。タスティエーラとソウルラッシュの海外分の賞金が加算されていれば、今年のランクはもっと上がるはずです。
父ダンカークはアンブライドルズソングを父に持つ輸入種牡馬。これが初のJRA重賞制覇となります。芝30勝、ダート105勝という通算成績が示すとおりダート向きで、2021年にアイスジャイアントがダートグレード競走のJBC2歳優駿(JpnIII・門別ダ1800m)を勝っています。2024年の種付けを最後に種牡馬生活をリタイアしました。
カピリナは、母ライトリーチューンが「マンハッタンカフェ×トニービン」という芝血統。こちらの特長が上回っているようです。