「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

宮本 丈 みやもと・たけし
履正社高→奈良学園大
内野手・右投左打・181センチ78キロ・1995年4月3日生(22歳)

 

 昨春の全日本大学野球選手権でサヨナラ満塁本塁打を含む2本塁打、打率.333の大活躍で一気に注目度を上げると、今年は侍ジャパン大学代表に選出された走攻守三拍子揃った遊撃手だ。
 履正社高時代はレギュラーとして甲子園に出場したが、当時はプロ野球選手という職業は現実的なものではなかった。

 中学時代に通っていた野球教室の縁で親交のあった才田慶彦コーチを慕って奈良学園大に進学した後、「野球を続けられるのはこの4年間しかないかもしれないと思うと、ボヤッと夢を抱くのではなく、本気で目指してみようと思いました」とギアを上げた。1年春からレギュラーを獲得し、リーグ戦で3度の首位打者を獲得し通算100安打も達成。3年連続で出場した全日本大学野球選手権では1、2年時は振るわなかったが、3年時は創部史上初の4強入りに貢献した。

 宮本の大きな特徴と言えるのが、重心を低く構えた打撃フォームだ。下半身を安定させるためのもので高校2年の冬から取り組むフォームだが、「体の強さを生かしきれていない」など否定的な声もある。それでも宮本は「一番打っていたら、それが正しくなるから結果を出したろうという気持ちです」と、これまで貫いてきた。

 もちろんこの先の高いレベルで壁にぶち当たり、再考を迫られるかもしれないが、頑固とはまた違ったブレることのない芯の強さも成長を続けてきた要因とも言える。

 今秋は、夏の代表活動で親しくなった楠本泰史(東北福祉大)と会話する中で「無駄なく、刀で切るようなスイング」をするよう心がけるなど、試行錯誤を絶やない。

 また、背番号を「33」に変更。「背番号を早くつけたくてたまらなかった純粋な気持ちでやろうと思いました」と、小学生の頃に初めてもらった背番号を背負う。代表活動時の少年野球教室でも、誰よりも熱心に丁寧に少年たちを指導するなど、初心を忘れず野球をしている印象が強い。

 恵まれた身体能力に初心と芯の強さを携え、猛者が集うプロ野球界でも躍動を続けたい。

文・写真=高木遊