◇国内メジャー第2戦◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前(3日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇予選…

国内メジャーで競技に復帰する川村昌弘

◇国内メジャー第2戦◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前(3日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇予選ラウンド7397yd(パー70)、本戦7430yd(パー71)

マルティン・カイマー(ドイツ)のクラブセッティング、撮影してきてくれないですか?」

とあるイベントで、手首のけがで療養中だった川村昌弘にばったり会った時、筆者が「LIVゴルフ」に取材を行く話をしたら、川村からそんなお願いをされた。他にもセルヒオ・ガルシア(スペイン)やルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)らいわゆる往年の渋めの選手(失礼!)のクラブが見たいという。

その理由を聞く時間もなく、注文通りにカイマーらのクラブを撮って画像を送った。今週、国内メジャーで競技復帰(欧州ツアーは公傷制度で休養中。リハビリトーナメントとして他ツアーで3試合の出場が認められている)する川村と再会して、見たかった理由を聞き、カイマーのクラブ解説を依頼した。

マルティン・カイマーの7番アイアン。マッスルバックがお気に入り

「ヨーロッパの試合で一緒に回ったことがあって、マッスルバック談義したことがあるんですよね。ロングアイアンのシャフトをどうするかとか。で、まだマッスルバックを使っているのか気になっていたんです。自分もずっとマッスルが替えられないタイプですし、カイマーはちょっと前まで3、4番アイアンを入れて、ウェッジに52、58度ってセッティングだったから、LIVに行ってもまだそうなのかなって」

なるほど。自分が生粋のマッスルユーザーだから、似たようなセッティングのカイマー、ガルシア、ウーストハイゼンらのクラブを見て、何かヒントを得ようと思ったのか。

「今の若い子とか、ウェッジ4本の選手もいるじゃないですか。それってアイアンのロフトが立っているから、それなら問題ないんだろうなと思うんです。でもロフトが立ってないマッスルバックの人だったらどうすんだろうって。キャビティのアイアンよりは距離が出ないと思うから、アイアン以外の上下番手がすごく気になるんです」。川村も最近は3、4番アイアンを抜いて、「手首のけがもあるから今は重点的にウェッジの練習をしようと思って」と、ウェッジを52、56、60度の3本体制にしているというから、なおさらなのだろう。

カイマーの最新14本がこれ

実際、カイマーのクラブは、4~9番アイアンがマッスルバック(テーラーメイドP7 TW)。ウェッジが46、50、52、58度の4本体制だった。

「ウェッジを増やすと、その分、上の番手のチョイスが大変なんですよ。アイアンがマッスルだと、上の番手を飛ぶのにしちゃうと(距離の階段が)うまくいかないんですよね。ユーティリティなどの最近のモデルは、めっちゃ飛んじゃう。だからここに新しいクラブって入れづらいんですよ。多分カイマーの4番アイアンとこのSLDRハイブリッドの間はロフトが空いちゃうと思うんですよね。だから4番は、そこそこロフトを立てているんじゃないかな」と分析が止まらない。

川村昌弘の最新の14本

川村は今週、ウェッジを1本増やしただけでなく、上の番手にも変化を加える予定。「宍戸はラフも深いので、きょうずっと練習していたのは4番ウッド、7番ウッド、24度のユーティリティです。まだ決定じゃないので、最終的にはスプーンとクリークにするかもしれないですけどね」。久しぶりの試合を前に14本の内訳を話す姿は、なんだか楽しそうだった。カイマーのクラブが少しは参考になったのなら良かった。(茨城県笠間市/服部謙二郎)