「女性が腹筋を割ることは、単に見た目を引き締めるだけでなく、健康や体力面でのメリットが多い」と、脳外科医で美容外科専門医…
「女性が腹筋を割ることは、単に見た目を引き締めるだけでなく、健康や体力面でのメリットが多い」と、脳外科医で美容外科専門医のSOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生は言います。自身も高い美意識を持ち、身体を鍛えているという近藤先生が、女性が腹筋を割るために必要なことについて解説!
女性が腹筋を割るために知っておきたい、女性の身体の特徴や基礎知識、体脂肪率の目安など、必要な情報を網羅しました。また、さまざまな運動メニューの中から効果的なメニューを厳選して、無理なく続けられるポイントも押さえました。
初心者が気になる「どれくらいで腹筋が割れる?」「週何回トレーニングすればいい?」「リバウンドはしやすい?」「生理中の運動はどうする?」などの質問にも回答。
腹筋を割るための効果的な方法と最短アプローチを知って、腹筋を割るスケジュールをたてる参考にしてください。
女性が腹筋を割ることで得られるメリットは大きい
女性が腹筋を割ると、見た目が美しくなるだけでなく、健康面や体幹の安定にも様々なメリットがあります。
まず、腹筋を鍛えて割ることで、ウエスト周りが引き締まり、スタイルアップを実感しやすくなります。服を着こなしたときにもシルエットが美しく映り、自信につながるでしょう。一方、腹筋が強化されると体幹が安定して、姿勢が整いやすくなるという利点も得られます。
さらに、腹筋がしっかりしていると、スポーツや日常動作でのパフォーマンスが向上する場合があります。バランス感覚や体のブレを軽減し、疲れにくい体を作ることにも役立ちます。加えて、腹筋を意識する習慣を持つと健康面にも良い影響が及び、腰痛の予防や内臓の位置を正しく保つサポートにもつながります。
腹筋のどこを鍛えれば割れるのか?

腹筋は大きく腹直筋、腹斜筋、腹横筋の3種類にわかれます。中でもお腹の表面にある筋肉で、いわゆるシックスパックと言われる筋肉が「腹直筋」です。腹直筋の溝がはっきりと分かれる状態を「腹筋が割れている」と言います。
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腹筋を割るには「シックスパック」と「アブクラックス」の2種類がある
シックスパック
「シックスパック」とは、腹直筋の区切りがお互い独立したように見える状態で、腹筋が6つのブロックに分かれているような見た目です。
女性がシックスパックを目指す際には、腹直筋を集中的に鍛えることが重要です。この形状を手に入れるためには、体脂肪率を18%以下に保つことが理想的。クランチやレッグレイズといったエクササイズが効果的で、これにより腹直筋が発達し、6つの筋がはっきりと見えるようになります。
シックスパックを実現するためには、適切な運動だけでなく、栄養管理も欠かせません。高タンパク質の食事を心がけ、脂肪の摂取を控えめにすることで、効率的に筋肉を育てることができます。また、生活習慣の見直しも重要で、十分な睡眠とストレス管理が求められます。
次:女性に人気の縦割れ腹筋とは
アブクラックス(縦割れした腹筋)
女性に人気があるのは縦割れした腹筋「アブクラックス」のほうで、主に縦線が目立つため、腹筋が細く深く刻まれている状態です。高い縦線を強調するためには、体脂肪率を20%以下に保つことが推奨されます。
縦線は腹直筋の中央に縦に走る線で、女性らしい引き締まったスタイルを演出します。この形状を目指すには、腹直筋だけでなく、腹斜筋や腹横筋もバランスよく鍛えることが必要です。
縦線を際立たせるためには、全体的に引き締まったお腹を作ることが大切です。これには、プランクやサイドプランクなどのエクササイズが効果的です。さらに、適切な栄養管理と生活習慣の見直しを行うことで、短期間で理想の腹筋を手に入れることができます。
なお、シックスパックとアブクラックスどちらになるかは腹直筋の発達具合や体脂肪率だけでなく、遺伝的な筋肉の形状にも左右されます。
女性の腹筋が割れにくい理由
女性の体は、出産や生理などのためにある程度の脂肪を蓄えやすいよう設計されています。さらに女性ホルモンが脂肪を蓄積しやすい働きを持つため、体脂肪率を下げて腹筋をはっきりと見せるのは男性よりハードルが高めです。
まずは自分の現在の体脂肪率や生活習慣をチェックして、少しずつ食事改善や有酸素運動で脂肪を落としていきましょう。体脂肪を落とす過程はどうしても時間がかかりますが、継続的な努力が腹筋を割る近道です。焦らずに目標値を設定して、段階的に体脂肪率を落としていく計画を立てると良いでしょう。
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女性が腹筋を割るために必要な4つの工程
腹筋を割る方法は大きく分けて、食事管理で脂肪をコントロールすること、有酸素運動で脂肪燃焼を進めること、筋トレによって腹筋を強化すること、そして十分な休養を取ることの4つが必要になります。これらをバランスよく実践することで、より確実に理想的なお腹周りを手に入れやすくなるでしょう。
特に食事管理と筋トレはセットで考えることが肝心です。どんなに筋トレを頑張っても、脂肪が落ちにくい食事を続けていては腹筋のラインが表れにくくなります。無理のないペースで摂取カロリーと消費カロリーを把握し、計画的に取り組みましょう。
1. 食事管理で脂肪をコントロール腹筋を割るためには、摂取と消費のカロリー収支を常に意識する必要があります。特に高タンパク低脂質の食事を心がけることで、筋肉を育てながら体脂肪を減らす効果が期待できます。毎日の食事で適度な野菜や果物を取り入れ、必要なビタミンやミネラルも摂取するようにしましょう。
2. 筋トレで腹筋を強化する「腹直筋」や「体幹」を意識した筋トレを行うことで、腹筋がしっかりと形作られていきます。週に2~3回、正しいフォームと呼吸法を守りながら、適度に回数やセット数を増やすことで効果を高められます。とくに女性は腹筋だけでなく、背中や下半身も同時に鍛えると全体のバランスが良くなり、美しい姿勢づくりにもつながります。
3. 有酸素運動で脂肪燃焼を促すジョギングやウォーキングなど、比較的長い時間をかけて行う有酸素運動は脂肪燃焼を促すうえで効果的です。週に2~3回、息が弾む程度のペースで続けることで全身の脂肪を効率よく減らせます。特に女性は下半身に脂肪がつきやすい傾向があるため、無理のない範囲で継続することがポイントです。
また、筋トレと有酸素運動を同じ日に実施する場合は、筋トレ⇒有酸素運動の順番が脂肪燃焼に効果的。筋トレ後の数時間は代謝が高い状態が続き、脂肪分解を促す「成長ホルモン」の分泌も活発になるためです。
4. 休養と睡眠の重要性筋肉は休んでいる間に修復され、より強くなっていきます。そのため、睡眠時間をしっかり確保し、オーバーワークを避けましょう。また、寝不足やストレスの蓄積はホルモンバランスを乱し、体脂肪の減少を妨げてしまう可能性があります。質の高い休息を意識することで、トレーニングの成果をより早く感じられるようになるでしょう。
次:女性が腹筋を割るためのトレーニングメニュー7選
女性が腹筋を割るためのトレーニングメニュー7選
腹筋を割る方法として、まずは体幹を意識した種目から始めるのがおすすめです。無理のない範囲で続けられるトレーニングを複数組み合わせて、全体的に腹筋を刺激していきましょう。強度を変えやすいメニューを中心に選んでおくと、自分のレベルに合わせて段階的に負荷を上げやすくなります。
プランク
プランクは腕立て伏せの姿勢をキープしながら体幹を鍛える、基本的な種目です。腹筋や背筋、肩周りまで広範囲を同時に刺激できるため、短時間で効率よく体幹を強化できます。
初心者は30秒程度を目標にして、慣れてきたら少しずつキープ時間を延ばしてみましょう。


サイドプランクは脇腹や体幹を鍛え、くびれを作りたい女性にぴったりのトレーニングです。横向きになって片肘を床につき、腰を持ち上げて姿勢を維持することで、腹斜筋に強い刺激を与えます。
体が前後に崩れないように注意しながら、左右均等に行うのがポイントです。

関連記事:サイドプランク(横向きプランク)の効果とやり方、アレンジトレーニング
ツイストクランチ
いわゆる腹斜筋を重点的に鍛えるクランチの応用版で、上体をひねりながらおへそを意識して持ち上げる動作が特徴です。左右交互に行うことで、脇腹を引き締めながらくびれも狙えます。
上体を持ち上げる際、反動をつけず腹筋の収縮を感じながら丁寧に行うことが効果を高めるコツです。


下腹部を集中して鍛えるのに適した種目で、仰向けになりながら両脚をゆっくりと上下させます。下腹部は脂肪が溜まりやすいため、意識的にゆっくり動かすことで筋肉に十分な刺激を与えられます。
腰痛のある人は腰が反らないように注意し、手をお尻の下に差し込んでサポートしても構いません。


骨盤周りと下腹部を同時に引き締める種目としておすすめなのがヒップリフトです。仰向けの状態で膝を曲げ、床に足裏をつけたままお尻を持ち上げることで腹筋やお尻の筋肉を強化できます。
腰のあたりが過度に反らないように気をつけながら、頂点で少しキープを入れると刺激が増します。

関連記事:お尻を鍛える筋トレ「ヒップリフト」。正しいやり方を解説(ヒップアップ)
ニートゥチェスト
下腹部を集中的に追い込むのに効果的な種目で、椅子やベンチに腰かけてでもできます。両脚を上げ下げする動作を基本としますが、姿勢が崩れやすいので、背筋を伸ばして腰を立てたまま行うことが大切です。
しっかり下腹部を意識しながら行うと、短時間でも効果を感じやすいトレーニングといえます。

関連記事:下腹に効く腹筋運動「ニートゥチェスト」。ぽっこりお腹を引き締める(2分)
HIITやインターバルトレーニングも活用時間で高いエネルギー消費を狙えるHIITやインターバルトレーニングを取り入れると、脂肪燃焼と筋力アップを並行して行いやすくなります。強度の高い運動を短い休息で挟みながら繰り返すため、心肺機能の向上にも役立ちます。忙しい人でも短い時間で効果を得やすいので、週に数回取り入れてみると良いでしょう。

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次:腹筋が割れるまでの期間目安とスケジュール
腹筋が割れるまでの期間目安とスケジュール
腹筋を割るのに必要な期間は、個人の体脂肪率や生活習慣によって大きく左右されます。一般的には3ヶ月以上は継続が必要と言われますが、初心者や体脂肪率が高めの方はもう少し時間を要することもあります。あらかじめ長期的な視野でスケジュールを立てて、こまめに進捗を確認しながら、計画を微調整しましょう。
体脂肪が高い場合はさらに時間がかかる体脂肪率がある程度高い状態から始める場合は、まずは脂肪を減らす段階に時間がかかります。有酸素運動や食事制限を取り入れながら、徐々に体脂肪を落としていくステップが欠かせません。実際に腹筋が見え始めるまでは、少なくとも数ヶ月単位の継続が必要になると心得ておきましょう。
結果を出すための計画とモチベーション維持大切なのは目標とする体脂肪率や腹筋のイメージを設定し、達成に向けて短期・中期・長期で具体的な計画を立てることです。日々の体重やウエストサイズの変化を記録し、小さな達成感を積み重ねながらモチベーションを維持しましょう。自分へのご褒美やトレーニング仲間と刺激し合うなど、意欲を高める工夫も継続に役立ちます。
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女性が腹筋を割る際によくある質問(Q&A)
女性が腹筋を割るうえで多くの人が疑問に思うポイントを、Q&A形式でまとめました。トレーニングを始めると、多くの方が回数や頻度などについて疑問を持ちます。
毎日腹筋をすれば早く割れるのか、あるいはリバウンドの不安はないかなど、様々な質問が出てくるでしょう。ここでは代表的な疑問を取り上げ、対策やヒントを解説していきます。
週何回トレーニングすればいい?腹筋だけを鍛える場合、週2~3回の筋トレが目安です。運動初心者の方はまず週2回から習慣にして、慣れてきたら回数や種目を増やすのがおすすめです。その際は必ず休みの日を作って筋肉を回復させることも忘れないようにしましょう。
リバウンドはしやすい?急激な食事制限や過度な運動を行うと、体はストレスを受けやすく、反動としてリバウンドにつながりやすいです。無理なく継続できる食事管理や筋トレのメニューを組むことが大切です。長期的な視点で健康を維持しながら体脂肪を減らしていくことを意識しておけば、リバウンドのリスクは抑えられます。
生理中の運動はどうする?生理中はホルモンバランスの変化や、個人差による体調不良が起こりやすい時期です。腹痛や疲労感がある場合は強度を下げて、有酸素運動を中心に切り替えるなど、無理のない範囲で継続しましょう。痛みが強いと感じるときは休息に専念して、体調が落ち着いたら再開しましょう。
女性の体脂肪率、理想の数値は何%?生理中は筋トレを休んだ方がいい?
女性が腹筋を割るためには「根気強さ」が大切
女性が腹筋を割るためには、食事管理、運動、休養のバランスが欠かせません。正しい知識と計画を持って、理想の腹筋を手に入れましょう。
腹筋を割る方法としては、まず体脂肪率を適正範囲まで下げることが必要です。その上で、有酸素運動や筋トレを組み合わせ、十分な睡眠と休養を取ることが大切になります。特に女性はホルモンバランスや筋肉量の違いから男性よりハードルが高い面もありますが、正しいアプローチを継続すればしっかりと成果を得ることができます。
腹筋が割れてくるとスタイルも洗練され、日常生活でのパフォーマンスも向上しやすくなります。何より達成感が得られ、自分自身に自信を持てるようになるでしょう。無理のない範囲で自分のペースを保ちながら、理想的な腹筋を目指してぜひ継続してみてください。
「割れた腹筋」を作る最短ルートは?トレーナーが語る、最速で腹筋を割る方法
監修者プロフィール
美容外科 SO グレイスクリニック院長近藤惣一郎
医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアナングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/
<Edit:編集部>