自転車ロードレースの国際大会「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」の第6戦・富士山ステージが23日、静岡県小山町で開かれる。東京五輪の競技会場と世界屈指の難関とされる山岳コースを舞台に、国内外のプロ約100選手が挑む。大会運営を担う小山町は…
自転車ロードレースの国際大会「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」の第6戦・富士山ステージが23日、静岡県小山町で開かれる。東京五輪の競技会場と世界屈指の難関とされる山岳コースを舞台に、国内外のプロ約100選手が挑む。大会運営を担う小山町は、無料の観戦会場を開設。多彩なイベントも企画しスポーツの普及を目指す。
自転車ロードレースは自転車版のマラソンだ。TOJはアジアを代表する大会で、毎年5月、堺市から東京都までの8会場を8日間で転戦。今年は海外7、国内9の計16チームが参戦する。
大会6日目の富士山ステージは、小山町の富士スピードウェイ西ゲートを出発し、東京五輪コースの一部を周回した後、富士山須走口5合目を目指す約67キロ。コースの過酷さからタイム差がつきやすく、「霊峰富士を制する者は優勝に近づく」といわれる。とくに終盤の「ふじあざみライン」は標高差約1200メートルを一気に上る約11キロ。平均10%、最大22%の急勾配とヘアピンカーブが続き、富士山特有の気候変化も加わり、毎年、トップクラスの選手たちの壮絶な争いが展開される。
東京五輪自転車ロードレースのメイン会場になった小山町ではスポーツや観光、商業などさまざまな分野の団体が「富士山ステージ実行委員会」を立ち上げ、地元を挙げて応援してきた。120年以上の歴史があるツール・ド・フランスのように観戦で地域が盛り上がれるようにと構想。今年はサポーター約150人を集めて競技を補助するほか、事前に町内の小中学校で実演講座も開いた。当日は、バスで難コースを上って見学した後、選手のゴールを見守るツアー(募集終了)も実施する。
スタート地点近くの富士モータースポーツフォレストには観戦会場を設け、大型ビジョンでのレースの生中継や飲食とグッズの販売を行う。込山正秀町長は「大会を通じてスポーツ文化を醸成したい。観戦し、参加し、応援し、支えることで、多くの方々に自転車スポーツを楽しんでいただければ」と話す。
周回コースの一部がかかる御殿場市も23日、同市柴怒田の東京五輪記念モニュメント近くに無料の観戦スポットを設ける。大型ビジョンを置き、応援用カウベルを貸し出す。「五輪で体感したロードレースの迫力を感じてほしい」という。(吉村成夫)