■千葉にPKを与えるも…GK林がセーブ!【J2リーグ第16節 5月17日 14時03分キックオフ 千葉 0ー0 仙台 フクダ電子アリーナ】 5月17日に行なわれたジェフユナイテッド千葉対ベガルタ仙台のJ2首位攻防戦は、高強度で切り替えの速…

■千葉にPKを与えるも…GK林がセーブ!

【J2リーグ第16節 5月17日 14時03分キックオフ 千葉 0ー0 仙台 フクダ電子アリーナ】

 5月17日に行なわれたジェフユナイテッド千葉ベガルタ仙台のJ2首位攻防戦は、高強度で切り替えの速い一戦となった。0対0で迎えた36分、仙台はピンチを迎える。PKを与えてしまったのだ。

 ペナルティエリア内左で千葉の左MF椿直起がセカンドボールに反応し、仙台の右SB真瀬拓海が間合いを詰める。ふたりが交錯して椿が倒れると、中国人の傅明(ふ めい)主審は笛を吹いてペナルティスポットを示した。PKである。

 国際主審でもある傅明主審は、今年から日本に生活拠点を移し、Jリーグで審判員として活動している。4月2日にJ1の東京ヴェルディFC東京戦で笛を吹き、この試合が来日後2試合目の担当だった。

 真瀬の左足は椿の足にかかっているものの、引っ掛けるとか倒すという意図は見えなかった。傅明主審のそれまでのジャッジがやや一貫性を欠いていたことも踏まえると、仙台には厳しいものだっただろう。

 ともあれ、PKを与えることになってしまった。GK林彰洋が、キッカーのMF横山暁之と対峙する。

 主審の笛から数秒の間を置いて、横山が短い助走から右足を振る。ゴール左側を狙ったボールは──林がセーブした。

 スコアは、動かなかった。5月7日に38歳の誕生日を迎えた守護神が、価値あるビッグセーブを見せたのである。

■「ベガルタは死んでいない」

 試合は0対0のままハーフタイムを迎え、60分を過ぎても動かない。千葉は左SB前貴之、左サイドを中心に動くセントラルMF横山、それにMF椿のコンビネーションによる崩しが鋭さを増していく。

 0対0のまま推移する試合を、どうやって動かすのか。交代選手の投入もポイントになってくる。

 先に手を打ったのは、仙台の森山佳郎監督だった。67分、FWエロンと左MFオナイウ情滋を下げ、FW梅木翼とDF石尾陸登を送り込む。石尾は左SBでの出場が多いが、この日は左MFに立つ。左SB奥山政幸の守備力を担保しつつ、DFながらドリブルの推進力がある石尾を起用したのだった。

 森山監督は79分にも動く。右MF郷家友太を下げ、右DF高田椋汰を投入する。右SB真瀬拓海が右MFへポジションを上げ、高田が右SBに入る。ゴール前へ飛び出していける真瀬を残してカウンターを狙いつつ、相手の攻撃にも備える采配だ。

 最終盤にはFW宮崎鴻も投入し、梅木とのふたりで高さと力強さに活路を見出す。しかし、ゴールをこじ開けることはできなかった。

 RB大宮に0対3で完敗した前節を反省材料として、仙台は彼ら本来のプレー強度とトランジションのスピード、それに自陣からのビルドアップで首位の千葉に対抗した。前半にいくつかあった好機を生かしていれば、スコアを刻むこともできただろう。シュート数、枠内シュート数では、千葉を上回っている。

 森山監督は「最後に決め切るところは積み上げていきたい」としつつ、「何度か惜しいチャンスは作ることができたので、手応えとしてはかなりありましたけれど、勝点3を取って勝点差を縮めることはできませんでした。ただ、ベガルタは死んでないぞというところを示すには、十分の試合だったかなとは思います」と話した。

 17、18日に行なわれた全試合の結果を受けて、仙台は3位から4位に後退した。8戦負けなしの4連勝と好調の水戸ホーリーホックに勝点で並ばれ、得失点差で3位を譲ることとなった。

 ゴールデンウイークを挟んだ5連戦を経て、リーグ全体では少しずつ勝点差が開いている。1試合で大幅に順位が入れ替わる、という状況ではなくなってきた。

 仙台の次節以降の対戦相手は、17位のいわきFC、12位の北海道コンサドーレ札幌、13位のモンテディオ山形だ。いわきはRB大宮やV・ファーレン長崎から勝利をつかんでおり、札幌と山形はJ1昇格候補にあげられていたチームである。

 どの試合も簡単ではないが、自分たちより下位のチームを退けることがJ1昇格への道を開く。それは間違いない。仙台にとって、負けられない試合が続く。

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