体操のNHK杯最終日は18日、世界選手権(10月、ジャカルタ)の代表選考会を兼ねて東京体育館で男子の2回目の演技があり…

 体操のNHK杯最終日は18日、世界選手権(10月、ジャカルタ)の代表選考会を兼ねて東京体育館で男子の2回目の演技があり、パリ五輪3冠の岡慎之助(徳洲会)が2連覇を遂げた。1回目を終えて首位だった岡は最後の鉄棒で落下するミスがあったが、2位と0・200点差で逃げ切った。

 2位は、体調不良を抱えていた全日本選手権5連覇の橋本大輝(日本生命・セントラルスポーツ)で、2人は世界選手権代表に決まった。

 2連覇を達成しても浮かぬ表情だった。「まだモヤモヤしている」。岡は反省しきりだった。

 5種目を終えた時点で橋本に2・1点の大差をつけていた。得点差は把握していたが、演技に集中できていたという。

 最後の鉄棒で落とし穴が待っていた。

 E難度の手放し技、コールマン。バーから離れ、戻る際につかみ損ねて落下した。「体の反応とタイミングのずれ」。練習ではなかったことが、試合で起きた。

 それでもパリ五輪の大舞台を経験した21歳は、冷静だった。やり直しの演技ではコールマンを成功。バーを手放すタイミングを修正した。その後に予定していたG難度のリューキンもやりきった。着地は前方につんのめったが、辛うじて踏みとどまった。「コールマンで落ちて、(D難度の)伸身トカチェフに変更しようかという迷いもあったが、攻めた」

 今大会は、技の難度を示すDスコアよりも、出来栄えを示すEスコアを重視して得点を上積みする戦略で臨んだ。着地を決めると0・1点加算されるボーナスは、2日間で計6回獲得した。ルール改正に伴い導入された新要素を存分にいかした。

 Eスコアでは岡が上回ったものの、Dスコアでは橋本の方が上だった。タイプの違う五輪金メダリスト2人を世界選手権に送り込めることが、男子体操の厚みを示している。(伊藤秀樹)

 橋本は演技構成を落としながら2位を確保。3日から体調を崩し、インフルエンザの診断を受けていたと明かした。練習は本番の2日前に再開。「不思議な感覚だった」という。

 練習不足の分、筋肉痛もひどく、「考えたら体は動かない。自然の反応に任せた」という。それでも3位とは大差。「いい経験にして今後に生かしたい」と話した。