選抜高校野球大会で優勝した横浜が公式戦の勝ち星を重ねている。春季神奈川県大会も制し、27年ぶりの春夏連覇を狙う。半世紀…
選抜高校野球大会で優勝した横浜が公式戦の勝ち星を重ねている。春季神奈川県大会も制し、27年ぶりの春夏連覇を狙う。半世紀近く横浜を率い、春夏通算5度の全国制覇を達成した元監督の渡辺元智さん(80)に、今のチームについて聞いた。
――選抜での横浜の戦いはいかがでしたか。
「全ての試合が最高で極上だった。村田(浩明監督)は選手を教えるのではなく、選手に気付かせていた」
「たとえば準決勝の健大高崎戦。150キロを超える投手に対し、どうすれば対応できるかを選手が工夫した。バットを短く持ったり、ファウルでねばったりね」
――春季大会は。
「初めは弱かった。具体的なプレーというよりは、目に見えない何かが足りない。選抜優勝の余韻が残っている感じがした」
――それでも決勝では東海大相模に逆転勝ちした。
「決勝は少ないチャンスをよくものにしたと思う。勝因は村田監督の決断力です。先発の織田(翔希投手)を早々に降板させ、片山(大輔投手)に継投した。守りを中心とした『村田野球』の基本的なスタンスは変えずに、少しずつ変化している。そこが強みだと思う」
――公式戦は25連勝中です。後に西武やレッドソックスで活躍し、「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔さんらを擁した1998年には負けなしの44連勝でした。勝ち続けることの難しさは。
「他校から研究されて神経質になった。練習試合でもデータを取られていた。(勝ち続けるためには)研究されてもそれを上回るために、変化しないといけない。松坂は研究されても打たれなかった。だから『怪物』なんだよ」
――98年とは対照的に、今の横浜は継投で勝ち上がってきた。
「当時は松坂が圧倒的に力があったが、総合的には当時を上回るんじゃないかな。これだけの数の投手をそろえているのは大したもんだ」
――村田監督は渡辺さんの監督時代の教え子です。渡辺さんの時代との違いはありますか。
「村田は大胆に選手を休ませる。当時から選手を休ませていたが、試合前日は多少痛みを抱えている選手にも練習させていた。村田は試合前日でも休ませて医者に連れて行っている」
――村田監督に期待するものは。
「夏の優勝。これを成し遂げなければ一流の監督、『大監督』にはなれない。村田にはなってほしい」
――今の横浜なら春夏連覇を達成できますか。
「もちろん難しい挑戦だ。夏の大会は選抜や春季大会より厳しい。でも、その難題を乗り越えるからこそ『名門』なんです。横浜が名門であり続けるために、夏の甲子園でも優勝してほしい」(聞き手・中嶋周平)