■法大・熊谷、3安打6打点…2季連続の首位打者へ上昇気配 東京六大学野球春季リーグは10日、法大が東大1回戦に9-3で勝…
■法大・熊谷、3安打6打点…2季連続の首位打者へ上昇気配
東京六大学野球春季リーグは10日、法大が東大1回戦に9-3で勝利を収め先勝した。「6番・遊撃」で先発出場した2年生の熊谷陸内野手が、3本の適時打を放ち6打点の大暴れ。昨秋にリーグ32年ぶりとなる「1年生首位打者」となった屈指の“ヒットマン”が、2季連続のタイトル獲得に向けてエンジン全開となってきた。
「前のバッターたちがチャンスで回してくれたし、(先発投手の)野崎(慎裕)さんも頑張って投げていたので、何とか点を取ろうという気持ちで打席に入っていました」。試合前までリーグ通算7打点だった男が、1試合で6打点の荒稼ぎ。現役時代に近鉄、オリックスなどで内野手として活躍した大島公一監督も「去年もいいところで打っていたけど、きょうも本当にいい場面で打ってくれました」と称える活躍だった。
まずは1-1で迎えた3回2死一、三塁で勝ち越しの左前適時打。2-2の5回無死満塁では再び勝ち越しとなる走者一掃の右越え三塁打を放って東大の4年生サブマリン・渡辺向輝投手をKOし、一気に試合の流れを引き寄せた。「(5回は)甘い球をどんどん振っていこうという考えで打席に入ったので、初球の甘い真っすぐを1球で仕留められて良かった」。これで終わらない。8回2死一、二塁から左翼線に2点三塁打。右へ左へ快音を響かせた。
元ロッテ投手で社会人野球・日本製鉄かずさマジックの渡辺俊介監督の長男・向輝に対して、この日は3打数2安打4打点。2失点完投での白星を許した昨秋も、熊谷は5打数4安打と攻略しており「下からくるボールがあるので、できるだけ上からボールを見てセンター返しという意識で打席に立ってます。去年もボールを見ているし、相性がいいのかなと思います」と納得の表情で語った。

■「ここからどんどん上げて、今年も首位打者を獲れるように」
金ケ崎リトルシニア、花巻東(岩手)時代は佐々木麟太郎内野手(米国スタンフォード大)らと同期で、高3夏の甲子園ではベスト8入りに貢献。法大進学後の昨春のリーグ戦は守備で1試合に出場したのみで打席に立つことはなかったが、秋に二塁のレギュラーを獲得すると、才能が一気に開花した。34打数16安打、打率.471で首位打者を獲得。ベストナインにも選出された。
海の向こうで奮闘する佐々木麟太郎の存在は大きな刺激になっている。今でも頻繁に連絡を取り合っており「中学から一緒にやってきた仲間が違う国で頑張っているので、自分ももっと頑張って追いつけるようにと思っています。今も連絡も取り合って、野球の話もしたりしてます。向こうの試合前に話したりしてます。仲良くやってます」と切磋琢磨している様子をうかがわせた。
遊撃に定着した今春は、この試合の前まで「思うようなバッティングができていなかった。少し考えすぎていた部分もあったと思う」と20打数5安打、打率.250といまひとつの内容。「割り切ってどんどんいこうと考えていきました」と3安打して打率.320まで上げ「ここまであまり調子が良くなかったので、ここからどんどん上げていけるように、今年も首位打者を獲れるように頑張りたい」と意気込みを示した。
まだリーグ戦は折り返しを迎えたばかり。積極的な打撃で本来の調子を取り戻した左の好打者が、2季連続の首位打者に向け加速していく。