ダウンを喫したものの、中盤から盛り返した井上がTKO勝利を収めた(C)Getty Images 米国のファンも騒然の熱戦…

ダウンを喫したものの、中盤から盛り返した井上がTKO勝利を収めた(C)Getty Images
米国のファンも騒然の熱戦だった。
現地時間5月4日(日本時間5日)に米ラスベガスのT-モバイルアリーナでラモン・カルデナス(アメリカ)との防衛戦に臨んだ世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が、8回TKOで防衛を果たした。
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2021年6月のアラン・ディパエン(フィリピン)戦以来となるラスベガスでのビッグマッチは、井上の圧倒的有利という下馬評とは異なる展開だった。
いつも通りにジャブで距離感を測りながら相手の出方をうかがったモンスターは、右のオーバーハンドを交えつつ慎重に最初の3分間を終える。
しかし、2回に入るとカルデナスの強打がヒットし始め、右をもらった井上が鼻血を出す場面も。さらに2回終了間際には打ち終わりに左フックを食らってダウンを喫した。
会場に歓声と悲鳴が響き渡るなか、3回もカルデナスがプレッシャーをかけて優位に展開。モンスターはこれといって有効打がなく、ディフェンスもいつものような相手のパンチを見切るというより、ガードを固めてしのぐシーンが目立った。
4回は撃ち合いに。ここから井上も徐々にリズムを掴みはじめ、5回にはペースが落ちたカルデナスのボディへ強打を打ち込む。そして6回、右のストレート、左のボディを的確に当ててカルデナスを防戦一方に追い込んだ。
これで一気に主導権を握ったモンスターは、「中盤にKOという一番いい形の試合の終わらせ方は想定している」との言葉通りにパンチをまとめて倒しにかかる。7回には序盤からラッシュをしかけてラウンド終了間際にダウンを奪うと、8回に猛ラッシュでロープ際に追い込み、最後はレフェリーが試合を止めた。
これで30勝27KOと無敗街道を突き進むモンスターは、9月にムロジョン・アフマダリエフとの防衛戦を予定している。度々、挑発を繰り返してきた挑戦者との試合で、どんなパフォーマンスを見せるのか。今から楽しみだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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