昇格の権利に近づきながらも、クラブにその気がなかったと聞いたら選手はショックしか残らないだろう。 問題が発覚したのはイングランド。女子3部リーグに当たるFA女子プレミアリーグ・ノーザンディヴィジョンを戦い、男子はプレミアリーグを戦っているウ…
昇格の権利に近づきながらも、クラブにその気がなかったと聞いたら選手はショックしか残らないだろう。
問題が発覚したのはイングランド。女子3部リーグに当たるFA女子プレミアリーグ・ノーザンディヴィジョンを戦い、男子はプレミアリーグを戦っているウォルバーハンプトンの女子チーム。リーグ最終戦でリバプール・フェデラーに6-0と圧勝。首位のノッティンガム・フォレストとは勝ち点差3の2位に終わっていた。
優勝チームののみがFA女子チャンピオンシップ(イングランド女子2部)に昇格できるため、ウォルバーハンプトンは成績で足りなかったが、結果次第では優勝の可能性もあった状況。しかし、なんとクラブは2部昇格に必要な申請書を提出すらしていなかったことが発覚した。
選手たちはこの事実を知っていたようで、最終戦後にSNSで心境を綴った。
MFベス・メリックはX(旧ツイッター)で「シーズン中ずっと昇格を目指して戦ってきたのに、チャンピオンシップへの昇格の申請が1度も出されなかったと知ったらどうなるか想像してもらいたい」と呼びかけ「チームとして、このような形でシーズンを終えることにとてもショックを受けており、これは女子チームに対するクラブの野心を物語っている」と、女子チームへの扱いの不当さを訴えた。
FA女子チャンピオンシップを戦うためには、クラブとしての投資が必要となり、プロクラブになることが期待されている状況。ただ、現在のウォルバーハンプトンにはプロ選手は1人もいない。
かつてバーミンガム・シティ時代には、1部に当たるFA女子スーパーリーグ(FAWSL)でもプレーしたDFリリー・シムキンも「がっかりした」とコメント。「スタッフと選手のグループとして、私たちはシーズンを通して戦い続け、クラブの一部の人々が不可能だと思っていたことを達成した」とXに投稿。「最終日まで頑張ってきたのに、結局全てが無駄だったことが判明した。私たちはもっと良い結果に値する」とし、仮に首位に立っていても昇格がなかったことを知りショックを受けているとした。
イギリス『BBC』によれば、クラブは最終戦後に選手たちを集め、女子チャンピオンシップに参加するために、クラブが「申請する意思が全くなかった」ことを伝えたとのこと。涙した選手も多くいたという。
イングランドの3部クラブは、12月の時点でチャンピオンシップに参加するかどうかの意思表明が必要だったとのこと。正式な申請は2月に行われたが、クラブは12月の時点で意思を示していなかったとされ、最後まで昇格を信じた選手たちを裏切る形となってしまった。
男子チームはかなりの投資を行い、積極的な補強も行っているウォルバーハンプトン。他のプレミアリーグクラブは女子チームにも投資を行っているが、クラブとしてまだまだそのレベルには達していない状況出ることが明るみとなってしまった。