■札幌が選手交代で勢いを強め、RB大宮はGKの好守でしのぎ…【J2リーグ第11節 4月25日 19時03分キックオフ 大宮 1ー0 札幌 NACK5スタジアム大宮】 J2リーグの序盤戦は、かつてない混戦模様だ。 4月25、26日に第11節…
■札幌が選手交代で勢いを強め、RB大宮はGKの好守でしのぎ…
【J2リーグ第11節 4月25日 19時03分キックオフ 大宮 1ー0 札幌 NACK5スタジアム大宮】
J2リーグの序盤戦は、かつてない混戦模様だ。
4月25、26日に第11節が消化され、5位のサガン鳥栖から17位のブラウブリッツ秋田までの13チームが、勝点5差以内でひしめき合っているのだ。5位はJ1昇格プレーオフ圏で、17位はJ3自動降格枠のひとつ手前である。天国と地獄が接近しているような状況だ。
今節は勝点20で2位のRB大宮アルディージャと、勝点12で17位(両チームの数字は10節終了時点)の北海道コンサドーレ札幌が激突した。J3からJ1へ復帰してきたチームと、J1からJ2へ降格したチームのぶつかり合いである。さらに言えば、開幕4連勝の好スタートを切ったRB大宮と、開幕4連敗とつまずいた札幌の対戦でもある。
前半を0対0で折り返すと、札幌がハーフタイムに動いた。4-4-2でダブルボランチを担うMF木戸柊摩が下がり、MF荒野拓馬がピッチに立つ。
この交代が、ピッチ上の構図を変える。札幌ひと筋でJリーグ330試合以上の出場を重ねてきた荒野が、ボールの動きをスムーズにしていくのだ。テンポとリズムが両立し、後方からの選手の関わりも良くなる。
RB大宮からすると、ボールの奪いどころを絞り切れない展開である。とはいえ、相手が後半開始にギアを上げてくることも、相手に主導権を握られる時間帯があるのも、想定外のことではない。52分、60分とペナルティエリア内でシュートを許すが、GK笠原昂史が防ぐ。
長澤監督が動いたのは62分だ。FWカプリーニを下げ、FW豊川雄太を投入する。同時に、システムを3-4-2-1から4-4-2へ変更する。ミラーゲームとすることでマークをはっきりし、相手のビルドアップに対する規制も強めた。
果たして、この交代がゲームを動かすのだ。
■選手変更とシステム変更でRB大宮が決勝点奪取
67分だった。GK笠原のロングキックを、2トップのひとりの杉本健勇が収める。2トップのパートナー豊川がすぐにボールを受け、相手のマークを剥がして持ち出す。右サイドハーフの藤井一志がサポートとしてパスを受け、ゴール前へクロスを入れる。このパスはつながらなかったものの、ファーサイドからDF下口稚葉が折り返す。
大外へのクロスに反応したのは藤井だ。左足でしっかりインパクトし、ゴール左スミへ流し込んだのだった。
1対0とした直後の68分、大宮・長澤監督は藤井を下げてMF和田拓也を投入する。34歳のベテランが攻撃から守備への切り替えで存在感を示し、失点のリスクを減らしていく。最終盤には右CKからガブリエウのシュートが左ポストを叩く場面も作り出し、RB大宮は1対0で逃げ切ったのだった。
今シーズンのRB大宮は、75分以降の失点がない。NACK5スタジアム大宮では3勝1分と無敗だ。ホームでの戦いと終盤の攻防には自信を持っており、それがこの日も勝利につながった。
札幌はここまで黒星先行で苦しんでいるが、J2のなかでも地力のあるチームだ。その相手に自分たちのスタイルを正面からぶつけ、1対0で競り勝った。J2復帰1年目のRB大宮にとっては、自信を深める勝利と言えるだろう。CB濱田水輝、MFアルトゥール・シルバ、FWファビアン・ゴンザレスがケガなどでメンバー外となっているなかで、出場機会を得た選手が勝利に貢献している。
11節を終了したJ2リーグでは、ジェフユナイテッド千葉が10勝1敗で勝点を「30」に乗せた。2位の大宮は勝点23で、3位のFC今治が勝点20、4位のベガルタ仙台が勝点19となっている。5位以下は勝点差が詰まっており、毎節ごとに順位が入れ替わるような状況だ。
これで4戦負けなしのRB大宮は、29日の12節でいわきFCと対戦する。相手はJ3降格圏の18位に沈んでいるが、直近2試合は連勝を飾っている。状態は上向きだ。
今シーズンここまで2勝1分2敗と五分のアウェイで、RB大宮は好調のいわきを下すことができるか。中3日での連戦となるが、長澤監督は「選手は試合をやっているほうが楽しいだろうから、それについては心配していません」とポジティブにとらえている。