J2ブラウブリッツ秋田の本拠となる新スタジアム整備を巡り、23日、秋田市の沼谷純市長とブラウブリッツの岩瀬浩介社長が面…

 J2ブラウブリッツ秋田の本拠となる新スタジアム整備を巡り、23日、秋田市の沼谷純市長とブラウブリッツの岩瀬浩介社長が面談した。前市長の時に構想された計画に対し、沼谷市長が既存競技場の改修案も打ち出したことについて話し合った。

 ブラウブリッツの今の本拠ソユースタジアムはJリーグの基準を満たさず、J1クラブライセンス(リーグ参加資格)は2018年以来、新しいスタジアムが整備されることを前提に特例的に交付されてきた。Jリーグ側は整備の遅れを問題視しており、昨年は不交付の可能性も指摘された。

 スタジアムは当初、外旭川地区に計画されたが、Jリーグ側に早期完成を促され、市は昨秋に建設地を八橋運動公園内の用地に変更。市が事業主体になって新設し、2031年供用を想定している。

 だが、沼谷市長は「(税金を費やす)公設なら既存施設を使う議論があるべきだ」と主張して、新設にこだわらずに運動公園内用地北側のASPスタジアムの改修を検討するよう指示していた。

 面談で、沼谷市長は「改修は一つの選択肢で、新設を消す意味ではない。並行しての検討だ」と述べた。コストの試算など新設の検討も深めており、「改修は新設より早く、安いとなったときに最優先になる」などと説明。ブラウブリッツのライセンス取得に関わる整備スケジュールついて「遅れはない」とした。

 岩瀬社長は、市長の対応について「いい悪いとなかなか判断できない」としつつ、「(Jリーグ側が)市長の話をどう受け止めるか、今後我々がしっかりと説明していかなければいけないと思う」と話した。6月末が来季のライセンス申請の締め切りとなる。

 ASPスタジアムの改修については、12年度に県の調査で「民家と接し、騒音や照明、日照権の問題が懸念される」と指摘されている。これまで市も、敷地が狭く、スタンドも不十分でほぼ建て替えになるとの見方。周囲に上下水道管が埋設されており、将来的な拡張にも不向きとされてきた。

 沼谷市長は「市のスタジアムの改修可否について、県が調べた十数年前の結論で無理としては、説明責任を果たせない」と反論。市の責任で改めて検討し、必要なら調査費を6月市議会に計上するとしている。(隈部康弘)