野球におけるリズム感の重要性「鍛錬することでイメージしたものを体で表現できる」 守備力向上など、野球が上手くなるためには…
野球におけるリズム感の重要性「鍛錬することでイメージしたものを体で表現できる」
守備力向上など、野球が上手くなるためには“音楽”が必要? 野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が22日、競技力向上に欠かせない能力や“センス”を磨く、5夜連続のオンラインイベント「運動神経向上LIVE」を開催。イベント2日目は、スポーツリズムトレーニング協会のマスタートレーナー・関元崇志さん、今春の中学軟式野球全国大会でベスト4入りした神奈川・相陽クラブの内藤博洋監督が登場し、「リズム」を取り入れた練習の重要性を語った。
野球のスキルアップには欠かせない運動神経の向上。この日は「リズム感」をテーマにイベントがスタートした。2023年から甲斐拓也捕手(巨人)の合同自主トレにも帯同する関元さんは、「脳で認知したものを体でアウトプットする。幼少期から鍛錬することでイメージしたものを体で表現できるようになる」と、リズム感の重要性を語る。
野球は“待つ時間”が長いスポーツとも言われている。投手以外の野手、打者は相手の動きに合わせてタイミングを取らなければいけない。守備なら打球に合わせ、打者なら投球に合わせてプレーする。だからこそ、リズムを正しく認知し、脳からの指令に基づいて複数の関節を連動し、協調させたりしながら体を思い通りに動かすことが求められる。
独自のリズム感を持つことで、様々なタイミングに合わせることが可能になる。関元さんは「受け身になる必要はない」と言い、例えば守備なら「静から動」ではなく「動から動」と、捕球前の準備が整っていればプレーの質は上がっていく。
全国大会の常連となった「相陽クラブ」は音楽や音に合わせた練習を取り入れる
「リズム感がなく、止まった状態だとスタート時に硬さが出ます。ボールが来るまでの間が大切で、動き出しまでのリズムをしっかり取る。軽くジャンプしたり、足踏み、体を揺らすなど、1歩目への準備(が大切)。実際に体を動かさなくても、頭の中ではリズムを取るなど、フリーズした状態にならないようにすることが大切です」(関元さん)
全国大会の常連チームになった相陽クラブの内藤監督も「野球はリズム」を掲げ、音楽や音に合わせた練習を取り入れている。ノックではワンバウンド、ショートバウンドなどのゴロに合わせて「タン、タン、タン」と声を出し捕球する。「言葉に出しながら、自分の捕りやすいポイントを覚えていく」と語るように、リズムやテンポ感を体に染み込ませることで、安定した守備力を身に付けさせているという。
イベントでは関元さん、内藤監督が視聴者からの質問に答える場面もあり「リズムを取る練習でどんな音楽を選べばいいか?」の問いには、「基本的には好きな音楽で大丈夫です。できればアップテンポでリズムが取りやすいものがベスト」。また、音楽がかけられない場所では手拍子でも問題ないという。
リズム感は鍛えることは可能で、毎日続けることで必ず結果に結びついてくる。技術練習と並行して養うべき基礎的能力の重要性を学べる「運動神経向上LIVE」」は、25日まで開催される。(First-Pitch編集部)