春先は低調なパフォーマンスに終始したキム・ヘソン。しかし、マイナーではしっかりと結果を残している。(C)Getty Images ドジャースは新たなタレントに力を求めるかもしれない。 現地時間4月6日、ドジャースは敵地でのフィリーズ戦に7-…

 

春先は低調なパフォーマンスに終始したキム・ヘソン。しかし、マイナーではしっかりと結果を残している。(C)Getty Images

 

 ドジャースは新たなタレントに力を求めるかもしれない。

 現地時間4月6日、ドジャースは敵地でのフィリーズ戦に7-8と敗戦。今季初となるカード負け越しを喫した。接戦を落とす敗因の一つとなったのが、中堅手を務めたアンディ・パヘスの“拙守”だ。

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 気の抜けない攻防が続いていた7回だった。ブライス・ハーパーがかっ飛ばしたスライスのかかった飛球をパヘスが背走しながら追うも目測を見誤る。風にも吹かれた打球は24歳の外野手からは遠く離れた位置に落下。平凡な飛球が二塁打となり、そこからチャンスを広げたフィリーズに逆転された。

 デーブ・ロバーツ監督が「正しいプレーをしなければならない」と苦言を呈したパヘスは、ここ数試合で失態を繰り返している。4日のフィリーズ戦では走塁死を犯し、2日に行われた本拠地でのブレーブス戦では後方に飛んだ打球を捕りきれず(記録は安打)……。失点を与えてしまった。

 守備がダメなら打てばいい――。しかし、今季ここまでのパヘスは打撃も低調。開幕11試合で打率.118(34打数4安打)、0本塁打、0打点、OPS.415と魅力であるパンチ力は鳴りを潜めている。

 明らかに攻守ともに精彩を欠く男には厳しい声も上がる。米スポーツ専門局『ESPN』の番組にも出演するブレイク・ハリス氏は自身のX(旧ツイッター)で「彼を降格させるべきだ。どんどん酷くなっている」と苦言。「明日ワシントンに帯同させるべき理由は何1つない。金曜日(日本時間5日)は走塁で足を引っ張り、今日は守備で足を引っ張った」とマイナーでの再調整をシビアに求めた。

 パヘスを落とすとなると、新たに誰かを上げる必要がある。そうした中で注目を集めているのが、韓国期待の有望株であるキム・ヘソンだ。今季からドジャースの一員となった若武者だが、オープン戦でスランプに陥り、マイナースタートが決定していた。

 ただ、ドジャース傘下3Aでの成績はまずまず好調だ。現地時間4月6日時点で、8試合に出場して、打率.273、6打点、OPS.823、出塁率.368を記録。内外野をこなすキム・ヘソンはパヘスとはプレースタイルこそ異なるものの、昇格への期待は高い。

 実際、米メディアも26歳の韓国人に期待をかける。老舗誌『Sports Illustrated』は「多くのファンは不振にあえぐセンターのアンディ・パヘスの代わりに誰がメジャーに上がるのか気になっている」と指摘。その上で「キム・ヘソンが昇格するとなれば、彼は二塁手となり、エドマンがセンターに回るだろう」と論じた。

 また、韓国メディア『朝鮮日報』は、現地時間4月6日のエルパソ戦の最中に、キム・ヘソンが、チームメイトやスコット・ヘネシー監督からダグアウトでハグされるシーンをクローズアップ。「もしも、これが昇格を決定づけるものなら、彼はメジャーリーグで自分を証明し、そこで生き残るために自分ができるすべてをやるはずだ」とした。

 もっとも、ドジャースの戦力は厚い。純粋な外野手としては、メジャー実績もあるジェームズ・アウトマンや、今月2日にアスレチックスからトレードで獲得した快速エステウリー・ルイーズらが控えている。いまだメジャー経験のないルーキーであるキム・ヘソンに、いの一番でチャンスが舞い込むかは不透明ではある。

 果たして、ドジャースは開幕間もない時期に思い切った決断を下すのか。その行方が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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