レッズとナショナルズの元GMジム・ボーデン氏が苦言 ドジャースの佐々木朗希投手に対する米メディアの逆風が強まっている。3月29日(日本時間3月30日)に本拠地で行われたタイガース戦に先発登板するも、1回2/3を3安打2失点で降板。2試合続け…

レッズとナショナルズの元GMジム・ボーデン氏が苦言

 ドジャースの佐々木朗希投手に対する米メディアの逆風が強まっている。3月29日(日本時間3月30日)に本拠地で行われたタイガース戦に先発登板するも、1回2/3を3安打2失点で降板。2試合続けて制球が安定せず、米ポッドキャスト番組の解説者はマイナー調整か中継ぎ起用を提言した。

 佐々木は、メジャーデビュー戦となった3月19日の東京ドームでのカブス戦でも3回1安打1失点で5四球。これで2試合で4回1/2に対し9四球と、制球に苦しむ場面が目立つ。3月29日(同3月30日)のタイガース戦では降板後、ベンチで目を潤ませる場面もあった。

 この状況を受け、3月31日(日本時間4月1日)の米ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」では、佐々木の起用法を再考すべきという意見も。制球難が改善できない場合、マイナーへのオプション降格かブルペンに回すことを選択肢として提言した。

 レッズとナショナルズでGMを務めた経験のあるMLB解説者のジム・ボーデン氏は「彼がしていることは我々全員が予期していたことだ」と冷静に分析。佐々木の獲得を狙ってきた球団や代理人が「彼は磨きがかかっていない、まだ完成品ではない、彼にユウ・ダルビッシュやマサヒロ・タナカやヨシノブ・ヤマモトのようなものは期待するな」と以前から言ってきたことが、現実に起きたと指摘した。

 その上で、佐々木の速球やスプリットに関しては「ストライクゾーンに入れば絶対に打てない。私が目撃した中で屈指の球だ。それほど良い球だ」と素質は高く評価。課題としては制球力に加え「知識と落ち着きと冷静さ、精神的なタフさも必要だ。そういったものすべてを兼ね備えていなければならない」など、メンタル面での未熟さも挙げた。

 マイナー契約でのスタートながら、佐々木の入団は大きく話題を集めていた。これにボウデン氏は「チームからメディアまで、彼を追いかけていた人たち全てを誤った方向に導いた。あのすべては何だったんだ?」と苦言。そして、次回の先発で復調できなかった場合、起用法について2つの道を提示した。

 1つ目は3Aへのオプション降格。「彼をマイナーに行かせてあげて、大きな注目が集まらないところでコントロールとピンポイントの制球力の問題を解決させる」と、精神的な負担が少ない環境で調整する重要性を解いた。

 2つ目は中継ぎ起用への配置転換で「どうせ彼の投球回数を制限するんだ。オオタニかカーショーが復帰したら、もしくはゴンソリンが復帰したら、彼をブルペンに回してもいいんだ」と提言。「ただただストライクゾーンをいっぱいに使って2イニング投げればいい役割で。ストライク先行で、攻めのピッチングをして、ストライクゾーン内に投げる」と述べ、リリーフ起用であれば佐々木の持ち味を生かせるとの見解を示した。

「彼は完成品ではない」と厳しい意見を突きつけつつも、佐々木の潜在能力に疑いはないと語るボーデン氏。夢舞台への挑戦は、まだ始まったばかりだが、苦難をを乗り越えた先にこそ、本当の飛躍がある。佐々木の真価が問われるのは、これからだ。(Full-Count編集部)