プロ野球の25年シーズンが28日に開幕します。日刊スポーツの計25人の評論家による毎年恒例の順位予想はセ・リーグ編です。連覇を狙う巨人は15人が1位予想し、阪神8人、DeNA、広島がそれぞれ1人と続きました。横浜、中日で活躍した谷繁元信氏(…
プロ野球の25年シーズンが28日に開幕します。日刊スポーツの計25人の評論家による毎年恒例の順位予想はセ・リーグ編です。連覇を狙う巨人は15人が1位予想し、阪神8人、DeNA、広島がそれぞれ1人と続きました。横浜、中日で活躍した谷繁元信氏(54)が、今季のセ・リーグの戦いを分析しました。
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プロ野球に先駆けて日本で開幕した大リーグ・ドジャースとカブスの2試合は、見応えあるハイレベルな戦いだった。その2チームからプレシーズンゲームで完封勝利を挙げた阪神を見たとき「これは優勝するかもしれない」と思うほどの強さを垣間見た。藤川新監督になって、選手が能力を発揮しやすい雰囲気をつくっているのだろう。何よりチームに一昨年、日本一になった経験がある。その阪神を3位と予想。なぜ3位なのかというと、それほどセ・リーグの戦力構図がひしめき合っているということだ。
優勝予想は昨年リーグ覇者の巨人。阿部監督2年目は、盤石の補強ができている。菅野が抜けた穴埋めを若い投手陣と田中将で補い、マルティネスを補強をしたリリーフ陣は厚みを増した。勝てる試合を確実に取っていく形ができる強みは、昨年からさらに増していくだろう。野手は、昨年シーズン途中に加入してクリーンアップに定着したヘルナンデスと、補強したキャベッジがいる。甲斐も加わり、チーム全体の選手層が1段階さらに上がった。
2年目を迎える阿部監督が、昨年と同じアプローチの仕方ではダメだということは、絶対に分かっていると思う。必ず変えてくるだろう。そこは、キャッチャー的視点でチームを見ていく。昨年まではある程度自由に選手の力を発揮させていたところを、少し緊張感を持たせたり。逆に自由を与えたり、硬軟をうまく使い分けながらチーム力そのものを上げて、リーグ2連覇と日本一をつかみにいくとみている。
その巨人を追い98年以来のリーグ優勝を狙うのは、下克上で日本一まで上り詰めたDeNAだ。リーグ戦は貯金2にとどまったものの、CS、日本シリーズを最後まで勝ち抜いたという経験は、必ず選手の自信になる。もともと野手の層が厚いチーム。2番に入る牧、4番オースティンを軸に、佐野、宮崎らタイトルホルダーを擁した打線の爆発力は、リーグ1といえる。そこにバウアーが再び加わった。不安材料があるとすれば、中継ぎをどうやってやりくりしていくか。ベンチワークの見せどころだ。
Bクラス予想の3チームは条件次第では、Aクラスに割って入る可能性は十分にある。広島はファビアンとモンテロの両外国人が鍵を握る。投手陣はしっかりしているだけに、レギュラー陣がしっかりと常時出られれば上位で勝負できる。ヤクルトは、開幕投手の奥川が帰ってきたことは1つ良いニュースだが、村上と山田のけがはバッドニュースだった。状態次第でチームの順位に影響を及ぼす2人なだけに、不安材料を残している。中日も立浪前監督の3年間で起用された野手陣が、どれだけ上積みができるかにかかっている。
それぞれの条件がはまれば、私のこの予想は大きく外れることになるだろう。それほど今のセ・リーグはちょっとしたきっかけで順位がひっくり返るような群雄割拠。しびれるような戦いを、今年も楽しみたい。(日刊スポーツ評論家)