元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当が対談する「オリいったお噺(はなし)」。28日の開幕を前に、大坂尚子記者と語りました。 大坂 いよいよ開幕します。オリックスはオー…

 元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当が対談する「オリいったお噺(はなし)」。28日の開幕を前に、大坂尚子記者と語りました。

 大坂 いよいよ開幕します。オリックスはオープン戦最下位でしたが、キャンプから見てきて楽しみな選手はいますか。

 大前 ドラフト1位新人の麦谷祐介選手ですね。

 大坂 富士大から加入した走攻守そろった外野手ですね。大学時代は1年春からリーグ戦に出場し、4年秋は最多本塁打賞、最多打点賞、最多盗塁賞などを獲得しました。

 大前 一回失敗してもそれを糧に強くなっていくタイプ。キャンプ序盤のライブBP(実戦形式の打撃練習)では、プロの投手の球を前に飛ばせず、でもそこから修正しました。

 大坂 オープン戦でも中日から巨人に移籍したライデル・マルティネス投手の直球に振り遅れ、3球連続で直球を空振りして三振。こちらでもプロの洗礼を浴びていました。

 大前 でもその後、高橋宏斗投手(中日)からマルチ安打。一度ダメでも、次に何かやってやろうという気概を感じます。

 大坂 キャンプで話を聞いた時に、富士大時代は結果によって気持ちの波が大きくなった時期もあったそうで、プロでは「一喜一憂しない」ことを心掛けていると。

 大前 キャンプの放送中のインタビューでもポジティブで、物事をはっきり言えていました。ポジティブな性格はプロ向きです。外野は西川龍馬、福田周平、ラオウ(杉本裕太郎)、中川圭太とベテラン、中堅の選手がいて若手がなかなか台頭できていない。(前監督の)中嶋(聡)さんは、例えば高卒2年目だった紅林弘太郎選手を我慢して使い続けた。当時の紅林選手と比べて、麦谷選手も負けていないと個人的には思います。シーズンで起用し続けてほしい。

 大坂 投手陣は若手の台頭もあり、駒がそろってきました。昨季リーグ4連覇を逃した背景には打線の不振もあるので、若い力が出てきてほしいですね。

 大前 マモさん(岸田護監督)は若手の台頭も必要だけど、主力組の頑張りがあってこその若手の台頭だと話していました。

 大坂 切磋琢磨(せっさたくま)してチーム力を上げてほしいです。ちなみに麦谷選手は今季、どのくらいの成績を残せると思いますか。

 大前 ずっと出場すればという前提ですが、打率2割5~6分くらいで20盗塁くらいしてほしいです。守備もコーチ陣は「まだ全然」と言うけど、潜在能力は素晴らしい。ここに技術、経験が加われば、本当に良い選手になりますよ!(大坂尚子)