【WRC】第3戦 ラリー・ケニア(日本時間3月20〜23日)【映像】マシンが引っくり返る横転アクシデントの瞬間 例年「ラリー・ケニア」での戦績が良く、期待された勝田貴元だったが、最終日、最終ステージのラストアタックで4日間を通して最大のアク…
【WRC】第3戦 ラリー・ケニア(日本時間3月20〜23日)
例年「ラリー・ケニア」での戦績が良く、期待された勝田貴元だったが、最終日、最終ステージのラストアタックで4日間を通して最大のアクシデントに見舞われ、大きく失速しまった。
ラリー・ケニアは、岩や石が多く転がっていて、雨が降れば一気にぬかるむトリッキーな路面が特徴。勝田も複数回のパンクやスピンを経験するなど、この週末を通してアフリカの路面に苦しめられた。しかし、日本時間23日の競技最終日デイ4は、SS18とSS20でトップタイムを叩き出すなど、最終ステージとなるSS21を前に調子を上げていた。
SS21は、同ステージの順位だけでボーナスポイントがもらえる「パワーステージ」。さらに昨季から導入されている新規定「スーパーサンデー」では、最終日のみの順位でポイントが追加される。スタート前の時点で勝田は、スーパーサンデー暫定トップだったアドリアン・フルモーとの差がわずか0秒3だった。
いよいよ勝田がタイムアタックをスタートする。勢いよく飛ばしていると思ったのも束の間、右コーナーでリアをスライドさせてしまいそのままスピン。そこで国際映像が一旦止まってしまったが、映像が戻ると勝田のGRヤリスは横転して逆さまに……。見た目にもかなり大きなアクシデントとなったが、乗員は無事であった。すぐにギャラリーの力を借りてマシンをひっくり返したが、ヒビの入ったフロントガラスが痛々しい。
解説のピエール北川氏も「午前中に一度走っていて自信があっただけに……」と落胆を見せた。スピンの原因については、「消耗したタイヤを使って、限界プッシュに耐えきれずコントロールを失ってしまった」ことを予想している。
その後、勝田は低速走行しながらもなんとか完走してフィニッシュラインを通過。走行後のインタビューでは、ヘルメットを脱ぐこともせず、「何が起こったのかわかりません。本当にチームに申し訳ないです……」と憔悴しきった目で語っている。
SS21の最終結果は、ヒョンデが1位から3位を独占し、勝田は9位に沈んだ。パワーステージポイントもスーパーサンデーポイントもヒョンデに持っていかれたが、ラリー・ケニアを通しての総合順位では、勝田の同僚、エルフィン・エバンスが優勝、勝田は5位でフィニッシュしたものの、サービスパークに戻れずリタイアとなった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)