◆明治安田J2リーグ 第6節 磐田3-2仙台(23日・キューアンドエースタジアムみやぎ) ジュビロ磐田は仙台を3―2で下し、今季2度目の連勝を飾った。後半43分、DF川崎一輝(27)のパスに反応したFW佐藤凌我(26)が決勝の移籍1号。前半…

◆明治安田J2リーグ 第6節 磐田3-2仙台(23日・キューアンドエースタジアムみやぎ)

 ジュビロ磐田は仙台を3―2で下し、今季2度目の連勝を飾った。後半43分、DF川崎一輝(27)のパスに反応したFW佐藤凌我(26)が決勝の移籍1号。前半の2点リードを追いつかれたが、途中出場コンビの活躍で今季アウェー初勝利をマークした。

 そっぽをむきかけたサッカーの神様を、もう一度振り向かせた。2点リードを追いつかれ、迎えた後半43分。ロングボールのこぼれを拾った磐田・佐藤は大外の川崎へ預け、再び走り出す。サイドを駆け上がった川崎は「(佐藤)凌我が信じて走ってくれた」とクロスを送る。突っ込んだ佐藤が右足で右隅に流し込んだ。

 「ゴール前に入っていくのは自分の特長。(川崎)一輝君が素晴らしいアシストをしてくれた」。J1福岡から加入6試合目で初得点。同点被弾からわずか1分後、劇的一発を見舞い今季3戦目でアウェー初白星をもたらした。

 鹿児島キャンプなどプレシーズンは一貫して主力組のトップ下に入り、開幕スタメンも射止めた佐藤。だが9日の富山戦(1●3)はシュート0でほとんど何もできず、前半で交代を命じられた。ジョン・ハッチンソン監督(45)は報道陣に対し名指しで酷評。この日も含め以降の2試合はスタメンを剥奪されていた。

 「メンタルが落ちることはなかった。先発だろうとサブだろうと与えられた仕事をするだけ」と自らに言い聞かせ、“一発回答”してみせた。指揮官は「(厳しく言及したのは)もっとできると思ったから。(今日は)入ったことでエネルギッシュになり、大事なゴールを決めてくれた」と拍手した。

 川崎も同じく富山戦で決勝点につながるパスミスを犯していた。「悔しい思いをしている。絶対貢献しようと思っていた」と燃えていた。試合後は「まだ取り返せたとは思ってない」と満足することなく言い切った。

 チームとしては試合運びに課題が残った。ハッチンソン監督が「引き分け、負けでもおかしくない」と振り返ったように前半、MFクルークスのPKなどで2得点も後半15分過ぎから押し込まれるシーンが相次ぎシュート数は7―19。「2―0でOKという気持ちは残念」と指揮官はさらなる攻撃的姿勢を求めた。中2日のルヴァン杯・FC大阪戦(26日)からは連戦が控える。貴重な勝ち点3を次戦以降への糧とする。(武藤 瑞基)

 〇…右サイドバック(SB)の植村洋斗が“珍ショット”で貴重な2点目を奪った。前半38分、MFクルークスの右クロスを中央で待ち構え、ゴールに完全に背を向けてヘディング。ふわりと浮いたボールがそのままネットに吸い込まれた。「逆サイドにボールがある時に、シャドーに入っていくのは決まり事。(ゴールは)振り返ったら入ってました」と自分でも驚きの表情を浮かべていた。

 MF角昂志郎(前半23分、自ら仕掛けPKを獲得。キッカーはクルークスに譲る)「早く自分のゴールで勝利したい」