◇明治安田J2リーグ 第6節 札幌2-1愛媛(23日・ニンジニアスタジアム) 北海道コンサドーレ札幌が今季初の逆転勝ちで2連勝を飾った。アウェー・愛媛戦は前半9分に連係ミスから先制を許すも、同36分にFWバカヨコ(29)の今季初ゴールで同点…
◇明治安田J2リーグ 第6節 札幌2-1愛媛(23日・ニンジニアスタジアム)
北海道コンサドーレ札幌が今季初の逆転勝ちで2連勝を飾った。アウェー・愛媛戦は前半9分に連係ミスから先制を許すも、同36分にFWバカヨコ(29)の今季初ゴールで同点に。後半37分には途中出場のFW金健熈(30)が2季ぶりとなる得点を挙げ、2―1で勝利した。
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2連勝はできたが、厳しい言い方をすれば偶然勝てたという内容だった。試合の入りからボールだけは動くが人は動かず、リアクションも悪かった。金が挙げた決勝点も、右クロスがたまたま流れてきたもの。最下位と調子の上がらない愛媛相手だったから、何とか勝てたようなものだ。
ミスが多かった高嶺と馬場のダブルボランチはいい出来ではなかったが、彼らだけが悪いわけではない。チーム全体で常に前に出て行こうという姿勢がないから、2人に負担がかかってしまっていた。サイドバックにボールが入った時、足下で止めてばかりいてはスピードが上がらないから、周りは動き出せなくなる。受けた時に自分の少し前にボールを置いたりしないから、相手には簡単に読まれる。その状態でボランチに出しても、余裕がないのだから詰まってしまうのは当然だ。
少しでも前にスペースがあるなら使わないといけない。「ここに欲しい」という要求も少ないし、パスの質やボールコントロールの方向など、細かい部分のイメージが徹底されてないからバラバラになっている。後半途中から宮沢が入り「前に出せ」などと指示を出していた。そこからビルドアップもスムーズになり、試合の流れを変えることができていた。彼のようにJ1での経験が豊富な選手をベースに戦うことも、内容を安定させるためには必要なのではと思う。
敵地で連勝はしたが帳消しにはまだまだ程遠い。ここから10試合負けなしくらいでいくためには、もっと細部にこだわって積極的にやることを、普段から意識してほしい。
(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)