<大相撲春場所>◇千秋楽◇23日◇エディオンアリーナ大阪大関経験者で東前頭4枚目の高安(35=田子ノ浦)の悲願は、またもかなわなかった。本割で小結阿炎を退けたものの、大関大の里との優勝決定戦に敗れた。史上2位となる初土俵から119場所目の初…
<大相撲春場所>◇千秋楽◇23日◇エディオンアリーナ大阪
大関経験者で東前頭4枚目の高安(35=田子ノ浦)の悲願は、またもかなわなかった。本割で小結阿炎を退けたものの、大関大の里との優勝決定戦に敗れた。史上2位となる初土俵から119場所目の初Vを目指したが、最後に力尽きた。
13日目を終えて単独トップ。14日目に美ノ海に敗れて3敗目を喫し、再び並ばれた。千秋楽の朝は「切り替えて迎えられた」と平常心。朝稽古で汗を流したあと、「年は重ねたけれど、いまが1番強いと思っている。自信を持ってやりたい」と話していた。
大関時代よりも成長したと自覚する。「大関時代といまはまったくの別人。あのころは自分の力を過信していた。大関を陥落してから真面目に相撲に取り組むようになった」。ベテランとなった現在は、土俵に立ち続けるために生活のすべてをささげる。「今年は90日間皆勤したい」とも話す。
今場所終盤、40歳の玉鷲が「高安に優勝してほしい。頑張ってほしい」とエールを送った。そのことを伝え聞いた35歳の高安は「(リップ)サービスでしょ」と笑った後、「玉鷲関がいるおかげで自分が若く感じる。気持ちが若くなります」と感謝した。
優勝争いをけん引した今場所、「いまが1番相撲が楽しい。相撲の醍醐味(だいごみ)を味わっている」と何度も繰り返した。優勝同点もしくは次点に終わるのは今回が9回目。10度目の正直を目指し、さらなる挑戦を重ねる。【奥岡幹浩】