(20日、第97回選抜高校野球大会1回戦 西日本短大付6―0大垣日大) 大会3日目にして、1号本塁打が飛び出した。柵越えではなく、ランニング本塁打だった。 西日本短大付の3番打者、斉藤大将(だいすけ)は「ホームランを打つタイプじゃないのでび…
(20日、第97回選抜高校野球大会1回戦 西日本短大付6―0大垣日大)
大会3日目にして、1号本塁打が飛び出した。柵越えではなく、ランニング本塁打だった。
西日本短大付の3番打者、斉藤大将(だいすけ)は「ホームランを打つタイプじゃないのでびっくり」と興奮した様子。
七回の先頭で左打席へ。カウント1―1。外角のボールゾーンから入ってきた緩い変化球を、左中間に高く打ち上げた。
左翼手は捕球姿勢に入った。が、ぽろりとこぼれる。「なにが起こるかわからないので」。斉藤は、50メートル6・0秒の快足でトップスピードを維持していた。腕をぐるぐる回す三塁コーチャーを見て、さっそうと本塁まで駆け抜けた。
四回には先制打も放ち、この日は2安打2打点。緩い球をぐっとこらえる打席での粘りに、ダイヤモンドを疾走する脚力――。いずれも、「西短名物」という冬場の下半身トレーニングが生きたという。
100メートル走100本を毎日のようにこなし、木の棒を両手に1本ずつ持ってカエル跳びのようにダイヤモンドを一周するメニューもある。昨夏の甲子園では3回戦で優勝校の京都国際に敗れた。その悔しさを糧に、仲間と励まし合って厳しい練習を乗り越えてきた。
甲子園のダイヤモンドを全力疾走で一周するのは、珍しい経験に違いない。「(甲子園は)誰もがやれる場所ではないので、そこで勝てて、ホームランも打ててうれしかった」(大宮慎次朗)