◇米国男子◇バルスパー選手権 事前(19日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)「PGAツアー、すごいなって」――。開幕2日前、練習ラウンドの合間で星野陸也がボソッと言った。脳裏にあるの…

◇米国男子◇バルスパー選手権 事前(19日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)
「PGAツアー、すごいなって」――。開幕2日前、練習ラウンドの合間で星野陸也がボソッと言った。脳裏にあるのは3週前の「コグニザントクラシック」。とにかく池が多く絡み、風次第で我慢大会の様相を呈することもあるPGAナショナルリゾート・チャンピオンコース。星野は3日目に「65」をマークして48位から14位まで駆け上がった。
ところが、上位フィニッシュへの期待を膨らませて臨んだ最終日は「75」。48位に後退して終わったこと以上に衝撃を受けた。「グリーンスピードとコンパクションが、一気に上がったんです」。風がそれほど吹いていたわけではないという。大きく変わった部分があるとすれば、スタート時間。カットライン上で滑り込んだ3日目の午前9時5分から、最終日は午後0時45分。最終組の約1時間前に当たる上位グループでのプレーだった。

前日は面白いように決まったパッティングのスピードが合わない。荒れた午後のグリーンコンディションにボールの転がりが負けないように強めに打ちたくても、スピードに対する警戒が勝ってしまう。「落とす人もいましたけど、スコアを出す人は出していた。いきなり一日で変わる状況だったり、そういうのをちゃんと計算しているのかも」。優勝したジョー・ハイスミスは、タフになったはずのコースで連日の「64」をたたき出した。

ショッキングな経験を冷静に受け止めている自分もいる。「パターの打ち方を変える必要があるのか、少し戸惑った部分はありましたけど、これから最終日はそういうコンディションも頭に入れてプレーしていくことができる」と前向きに話す。PGAツアー昇格の足掛かりとなった欧州ツアー(DPワールドツアー)に挑戦した当初、成績が伴わないことへの焦りばかりが募った時を思えば、状況を客観視できている。

フィジカルコンディションやパッティングの状態がかみ合ってくれれば、上位に絡めそうな雰囲気も感じている。「わけが分からない状況が、最悪じゃないですか。現状、ここを直したら一気に良くなるかもしれないっていう部分は感じられているので、そこをひとつひとつつぶしていくこと。分かっているからとはいえ…(難しい)ですけど、次につなげることがあるので、毎週プレーしていて楽しいですよ」。日本→欧州→米国と渡っても変わらない“ゴルフ愛”にあふれた笑顔で言った。(フロリダ州パームハーバー/亀山泰宏)