春夏を通じて初めての甲子園出場となった滋賀短大付にとっては、アルプスでの応援も初体験。だが、頼もしい助っ人が現れた。甲子園常連校の大阪桐蔭高校の女子チアリーダー部が19日の選抜大会初戦で「友情応援」することになった。 昨秋の近畿大会。滋賀…
春夏を通じて初めての甲子園出場となった滋賀短大付にとっては、アルプスでの応援も初体験。だが、頼もしい助っ人が現れた。甲子園常連校の大阪桐蔭高校の女子チアリーダー部が19日の選抜大会初戦で「友情応援」することになった。
昨秋の近畿大会。滋賀短大付のダンス同好会の倉田結月(ゆづき)さん(3年)は友人3人とスタンドで大きな声援を送った。スタンドには野球部員と吹奏楽部。同校にチアリーダーはいないため、倉田さんら計4人が野球部員よりも大きな声を張り上げて応援した。
その効果もあったのか。初戦で大阪1位の履正社を破った。倉田さんは「感動して涙が出そうでした」と振り返る。その1勝が、結果的に選抜の大きな決め手になった。
倉田さんは双子の兄の一輝選手(3年)がベンチ入りしていたから、余計に熱がこもっていた。そして、野球部の保木淳監督からは「甲子園に行ったらチアをしてよね」と言われていた。その約束を果たす時がきた。
倉田さんを含むダンス同好会の有志、計13人が選抜ではチアリーダーとしてアルプスで応援することになった。倉田さんは「普段はダンスで左右に激しく動いたりしますけど、ポンポンを持ったことがないので、少し不安はあります」という。
そのチアリーダーに「力を貸したい」と手を挙げてくれたのが、大阪桐蔭の女子チアリーダー部だ。
顧問の平田仁美さんは「うちは甲子園に出ることができなかった。滋賀短さんの力になることで、通常は新3年の選抜で引退する生徒も甲子園を経験できる」。大阪桐蔭からは23人の部員が滋賀短のチアに加わり、総勢36人編成のチアリーダーがアルプスに立つ。
平田さんによると、大阪桐蔭の女子チアリーダー部が他校に協力するのは初めて。すでに滋賀短の吹奏楽部から12曲の応援曲をもらって大阪桐蔭側で振り付けを行った。その動画を倉田さんらに送り、覚えてもらった。16、17日には2校が合同練習を行い、甲子園本番に向けて準備は万全だ。
倉田さんは「新3年生は私だけで、残りは新2年生。緊張するけど、精いっぱい応援したいです」。野球部と同じく、滋賀短のチアリーダーも初陣に挑む。(坂上武司)