原英莉花がことし出場しているエプソンツアーは、LPGA(米国女子ツアー)の2部ツアーだ。年間20試合が組まれており、4日間大会も最終戦を含めて4試合ある。3月にフロリダで3試合を行ったあとは1カ月以上のオフを挟み、4月はカリフォルニアやア…

シーズン第3戦を21位で終えた原英莉花

原英莉花がことし出場しているエプソンツアーは、LPGA(米国女子ツアー)の2部ツアーだ。年間20試合が組まれており、4日間大会も最終戦を含めて4試合ある。3月にフロリダで3試合を行ったあとは1カ月以上のオフを挟み、4月はカリフォルニアやアリゾナなど西海岸に場所を移す。その後はミシガン、コネチカット、ニューヨーク、インディアナなど東海岸でプレー。8月には再びオレゴンやカンザス、アーカンソーなどの中西部でプレーし、カリフォルニアの砂漠地帯であるインディアンウェルズで10月の最終戦を戦う。

今季20試合が組まれたエプソンツアー

原は目下、全日程終了時点の年間ポイントランキング上位10人までが得られる翌年のLPGAツアーカード獲得を第一目標にプレーを続けている。シーズン第3戦の「IOAゴルフクラシック」(3月14~16日)に出場する原を取材するため、大会2日目に会場のフロリダ州アラクアCCを訪れた。

オーランドの北側にある閑静な住宅街に囲まれた同コースは綺麗なクラブハウスを備え、コースもよく整備されている。2部ツアーらしく観戦ロープやスタンドはないものの、プロが試合をするコースとしては申し分なく思えた。ところが、練習場に来て驚いた。みんな池に向かって打っているのだ。池の中にはターゲットとなりそうな島もフラッグも見当たらない。

池に向けて軽量ボールを打ち込む選手たち

ゴルフに詳しい方ならご存知かと思うが、ひと昔前にケイマンボールという飛ばないボールが流行ったことがあった。軽いので飛ばないが、水に浮くため、土地に制限があることを理由に池を練習場として利用するコースが誕生。水面に浮いたボールは、風に流されて池の縁に集まったところで回収される。

練習用ボールの回収風景

アラクアCCも、練習場では「マラソン」というブランドのフローターボール(浮くボール)を使用。ただし、通常のゴルフボールよりもやや軽く、打感も異なる。練習している選手に感想を尋ねると「ん~、最悪ですね」との答えだった。とはいえ、初戦と第2戦の会場ではキャロウェイ社が練習ボールを提供していた。毎試合、このようなフローターボールで打たされることはない。

練習用のフローターボール

コースによって練習環境が大きく異なり、賞金もギャラリーも少ない2部ツアーだが、選手にとっては試合があること自体“恵まれた環境”ともいえる。このような厳しい環境で鍛えられている原は、シーズンを終えた頃には一回りも二回りもレベルアップした選手になっているに違いない。テレビ放送もないエプソンツアーで戦う今年の原英莉花を見守っていきたい。(JJ田辺カメラマン)

自身の成長も求めてエプソンツアーを戦う