◆アイスホッケー▽全日本女子選手権Aグループ最終日 ダイシン3―1道路建設ペリグリン(16日、釧路アイスアリーナ) 決勝が行われ、2月のミラノ・コルティナ五輪最終予選日本代表メンバー5人を擁するダイシンが3―1で道路建設ペリグリンを下し、1…
◆アイスホッケー▽全日本女子選手権Aグループ最終日 ダイシン3―1道路建設ペリグリン(16日、釧路アイスアリーナ)
決勝が行われ、2月のミラノ・コルティナ五輪最終予選日本代表メンバー5人を擁するダイシンが3―1で道路建設ペリグリンを下し、1997年の創部以来初優勝。2月の女子日本リーグファイナルに続き国内二大大会を制し、2冠を達成した。第1ピリオド(P)にエースのFW浮田留衣(28)のゴールで先制。第2PにはDF堤京香(20)、FW小平梅花(16)の若手が追加点を奪い、地元開催で頂点に立った。
ベテランと若手が融合した“史上最強”のダイシンが初の栄冠を手にした。試合終了のブザーが鳴るとグローブを高々と放り投げ、歓喜の輪をつくって喜びを爆発。最年長の浮田は「2冠を目指してプレーしてきた。プレッシャーはあったと思うけど、自分たちのできるプレーを60分できたおかげ」と笑みを浮かべた。
準決勝での2得点に続き、この日も勢いづけたのは浮田だった。第1P10分6秒。エースの今大会4ゴール目で先制すると、第2Pには若手も続いた。20年ユース五輪金メダルメンバーの堤が5分26秒にミドルシュートを決めると、11分53秒には栃木出身の小平が3点目を沈め、突き放した。
有望選手を多く輩出してきたダイシンだが、これまでは大学進学を機に市外チームに移籍する選手が多かった。しかし、近年はともに日本代表の野呂姉妹を筆頭に高校卒業後も残留する選手が増加。愛知県出身の堤も「ダイシンというチームが好き」と市内の大学に通いながら競技を続けてきた。さらに、沖縄など全国各地から入部する選手も増えたことでチーム力は大幅に強化。今季からは1試合を3セットで回せるようになって主力選手の体力温存につながり、課題だった終盤に走り負けることも少なくなった。
かつて、男子の日本製紙クレインズが国内リーグで何度も頂点に立つなど「スケート王国」として知られる釧路。しかし、現在は男子プロチームがないという異例の事態が続いており、「釧路が氷都ということで、この優勝が(盛り上がる)一つのきっかけになればいい」と中島谷友二朗監督(54)。来年には五輪というビッグイベントも控える女子アイスホッケー。氷都にアイスホッケーの火を灯し続けるためにも、常勝軍団を目指してさらなる高みを目指していく。(島山 知房)
〇…道路建設ペリグリンは2年ぶりの王座奪還にあと一歩届かなかった。反則6つと数的不利の時間が多く、第2Pを終えて無得点。3点差の第3Pに1点を返し、最終盤にはGKをベンチに下げて6人攻撃を仕掛けたが及ばなかった。寺尾幸也監督(40)は「(人数が少ない)キルプレーゲームにこんなになるとは思わなかった。疲れもあったのか、反則じゃなきゃ止められないシーンが多かった。シーズン通して体力不足だったのが反省点」と振り返った。