<バスケットボール男子 第100回天皇杯全日本選手権:琉球ゴールデンキングス60-49アルバルク東京>◇15日◇決勝◇代々木第1体育館琉球が三度目の正直で初戴冠した。強力なインサイド陣を軸に攻守で主導権を握り、A東京にリードを許したのは第2…

<バスケットボール男子 第100回天皇杯全日本選手権:琉球ゴールデンキングス60-49アルバルク東京>◇15日◇決勝◇代々木第1体育館

琉球が三度目の正直で初戴冠した。強力なインサイド陣を軸に攻守で主導権を握り、A東京にリードを許したのは第2クオーター(Q)途中の2分強だけ。勝利への執念で相手を上回った。昨年、一昨年と決勝に進出しながら千葉Jに連覇を許していただけに、念願の頂点となった。大会MVPには琉球のジャック・クーリー(33)が選ばれた。

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第4Q残り1分25秒でのプレーに3年分の思いが詰まっていた。相手ゴール下付近で、琉球カークが場外に出たボールに飛びつき、体を投げ出しながらコーナーにいた小野寺にパス。小野寺は素早いモーションで3点シュートを沈める。リードを7点差に広げ、勝負を決めた。

「ホッとしています。昨年はここで惨敗した。あの悪夢から、これでやっと立ち直れる」。桶谷監督が表情を崩す。一昨年から2年連続して決勝で敗退。特に昨年は117-69と50点差近くつけられた。今回もチーム状態は決して良くなかった。今月上旬の東アジアスーパーリーグ(EASL)ファイナル4では2連敗で最下位。リーグ戦でも最近10試合は5勝5敗と苦しんでいる。

桶谷監督は「チームが崩壊してもおかしくなかった」と明かしたが、今度こその思いが状態の悪さに打ち勝った。A東京の本拠地に押し寄せ、会場の半分近くを埋めた琉球ファンの後押しも大きかった。琉球一筋でチームの顔、岸本が言う。「今日は内容ではなく、目の前のことに全力を尽くすことだけを考えた。ファンの皆さんも含めたみんな思いが形になってうれしい」。天皇杯が初めて、沖縄にわたる。【沢田啓太郎】