第97回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の甲子園練習が13日、甲子園球場でスタートした。14日まで2日間行われ、初日は16校が参加。東洋大姫路(兵庫)のプロ注目で最速147キロ右腕の阪下漣投手(3年)は、現地観戦した19年夏の甲子園で…
第97回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の甲子園練習が13日、甲子園球場でスタートした。14日まで2日間行われ、初日は16校が参加。東洋大姫路(兵庫)のプロ注目で最速147キロ右腕の阪下漣投手(3年)は、現地観戦した19年夏の甲子園で履正社(大阪)を日本一に導いた岡田龍生監督(63)の胴上げ再現を誓った。21世紀枠の横浜清陵(神奈川)は初の聖地で“青空会議”を開き、初戦へ臨戦モードに入った。
◇ ◇ ◇
東洋大姫路・阪下は人生で初めて憧れのマウンドに足を踏み入れ、胸を躍らせた。直球中心で5球、マウンド横でも5球を力強く投げ込んだ。「甲子園のマウンドが一番投げやすい。投げ応えがありました」。興奮冷めやらぬまま、胸に秘めていた野望を明かした。
「絶対に全国優勝して、“もう1度”岡田先生を日本一の監督にしたい」
小学6年時に目の当たりにした景色が深く脳裏に刻まれていた。19年夏の甲子園。履正社-星稜の決勝戦を、地元の兵庫・西宮市出身でもある阪下少年は、履正社ベンチサイドの一塁側スタンド7列目に座って見守っていた。
「(現阪神)井上広大選手のバックスクリーンへのホームラン、履正社の優勝の瞬間であったり、たくさん目に残っている光景がある。今度は自分がプレーヤーとして達成したい」
東洋大姫路に進学を決断したのも、岡田監督の存在が決め手となった。22年4月から母校の指揮官に就任することを知り「岡田先生と一緒に甲子園に行きたいっていう気持ちがより一層強くなった。このセンバツに岡田先生と出られることはすごい光栄」と目を輝かせた。
岡田監督は「阪下が打たれたらどうしようもないですね」と全幅の信頼を寄せる。阪下は「甲子園でマダックスだったり、ノーヒットノーランもできるならしてみたい」と気合十分だ。初戦は大会第3日に21世紀枠の壱岐(長崎)とぶつかる。一戦必勝でチームに春夏通じて14年ぶりの白星をもたらし、あの夏に見た「岡田監督の胴上げ」を再現してみせる。【古財稜明】
◆阪下漣(さかした・れん)2007年(平19)7月5日生まれ、兵庫・西宮市出身。浜脇小2年から浜脇タイガースで野球を始め、浜脇中では西宮ボーイズに所属。東洋大姫路では1年春からベンチ入り。同秋からエース。2年夏は兵庫大会ベスト4。2年秋は県優勝、近畿大会は2連続完封などで17年ぶりの頂点に導き、明治神宮大会は4強入り。181センチ、87キロ。右投げ右打ち。