国民スポーツ大会(国スポ)のデモンストレーションスポーツ、ドラマ「ちはやふる」、世界大会――。今年は小倉百人一首競技か…

 国民スポーツ大会(国スポ)のデモンストレーションスポーツ、ドラマ「ちはやふる」、世界大会――。今年は小倉百人一首競技かるたに、ひときわ注目が集まりそうだ。

 競技かるたの聖地とされている大津市の近江神宮。地元にあるかるた会「大津あきのた会」は、滋賀県勢初のクイーンらを輩出してきた。大所帯のかるた会で、県内外の子どもから高齢者まで180人ほどが所属している。

 競技かるたは、100枚の札のうち50枚を使用する。自陣と相手陣に25枚ずつ置く。読手(どくしゅ)が読み上げる札を取り、自陣をゼロにしたほうの勝ちになる。使用しない50枚は空札になる。

 全日本かるた協会には、そのレベルに応じてE~A級の5階級がある。協会公認の大会で成績を残して、E級からA級へと上がっていく。

■返り咲きめざす元クイーン

 大津あきのた会は毎週土曜日、近江神宮にある近江勧学館や市内の公会所などで練習を行っている。2月15日に市内の練習場所を訪ねると、和室でA級の選手たちが練習をしていた。

 薄井恭子さん(33)=神戸市=は、大津あきのた会の看板選手。2020年のクイーン位決定戦で勝利し、滋賀県勢初のクイーンになった。全国女流選手権大会を3連覇した永世女流選手権者でもある。

 競技かるたは、同じ永世女流選手権者である姉の影響で、4~5歳のときに覚え始めた。A級に昇級したのは小学3年のとき。史上最年少記録で現在も破られていないという。

 21年にクイーンの初防衛を阻まれて競技かるたは休み、出産などを経て昨年3月に復帰した。自宅では子どもを寝かせたあと、ベビーサークルの中に畳を敷いて、ひとり練習を重ねた。その成果もあって、クイーンへの挑戦者になれる一歩手前まで進んだが、現クイーンに敗れた。

 今はクイーンに返り咲き、防衛することをめざす。「競技かるたを広めていくためには、活躍するしかない」と前を見据える。後輩にも力のある選手が多く、大学3年の原あかりさん=大津市=は「恭子さんは憧れで、自分の目標。構えを安定させて、クイーンになりたい」と目標を語った。

 大津あきのた会は、読手の育成にも力を入れている。娘2人が所属している小嶋行心さん=滋賀県守山市=は、公認読手の資格を取って練習や大会を支える。「子どもたちが成長していく様を見ていると感動する」と話す。

■「光る君へ」の影響も

 競技かるたは、末次由紀さんの漫画「ちはやふる」やその映画化作品などによって、人気に火がついた。また、大津あきのた会では、24年に放送されたNHK大河ドラマ「光る君へ」の影響で、体験の申し込みが増えたという。

 5月には県立武道館(大津市)で、国スポのデモンストレーションスポーツとして競技かるたが行われる。7月からは、テレビドラマ「ちはやふる」(日本テレビ系)がスタートする。

 大津あきのた会によると、11月には世界大会の開催を検討しているという。副会長の宇野浩子さんは「万博もあるし、いい機会。競技かるたを盛り上げていきたい」と意気込む。

 全日本かるた協会によると、協会に入っているかるた会は、大津あきのた会を含めて県内に五つある。担当者は「『ちはやふる』のドラマが放送される時間帯にもよるが、多少は競技人口が増える可能性が高い」と話している。

 大津あきのた会への問い合わせは、同会のホームページから。(仲程雄平)