18回目となる東京マラソンが2日に開かれ、約3万8千人が参加した。春のような陽気のもと、それぞれの目標を胸に都心を駆け…
18回目となる東京マラソンが2日に開かれ、約3万8千人が参加した。春のような陽気のもと、それぞれの目標を胸に都心を駆け抜けた。
ランナーたちはこの日朝、新宿・都庁前をスタート。沿道の観衆から声援を受けながら、浅草や銀座といった都心の観光地を疾走した。
障害がある人たちがランニングを楽しめるよう支援するNPO「アキレス・インターナショナル・ジャパン」のメンバーも参加。そのひとりで、全盲の町田宏さん(65)=横浜市=は伴走の滝沢秀樹さん(61)と一緒に、力強い走りをみせた。
町田さんは20代のころ、徐々に視野が狭まり、筒の中からのぞいているような見え方になった。当時勤めていた市役所で足元のゴミ箱を倒すこともあり、26歳で網膜色素変性症と診断された。
中学生のときにサッカーの県大会で優勝した経験があり、20代ではスキーに熱中していた。「大好きなスポーツができなくなることがショックだった」
40歳から白杖(はくじょう)を使用するようになった。スポーツからは遠ざかったが、49歳のときに友人に誘われてウォーキングを始め、マラソンにも参加。最初は5キロしか走れず、ひざやアキレス腱(けん)の痛みに苦しんだ。
「楽しい」と思えるきっかけになったのが、アキレス・インターナショナルから勧められて挑戦した2013年のニューヨークシティー・マラソンだ。マンハッタンの橋を渡って一番街に入るとき、大きな声援に包まれ、胸が熱くなった。
ニューヨークでの完走をきっかけに、ロンドン、ボストン、シカゴ、ベルリンのマラソンに挑戦し、定められた制限時間内で完走。世界6大マラソンを制覇する「シックス・スター」の最後となったのが東京マラソンで、この日、5時間49分55秒でゴールした。
制覇の証しとなる「シックス・スター・フィニッシャー」と刻まれたメダルを首にかけた町田さんは満面の笑みを浮かべて、「手にするまで12年かかった。ほっとした。東京タワーや日本橋など東京らしい場所を感じながら楽しく走れました」と話した。(上田雅文、伊藤あずさ)