2月16日(現地時間15日、日付は以下同)、「NBAオールスター2025」のオールスターウィークエンドを開催中の会場で、カイ…

 2月16日(現地時間15日、日付は以下同)、「NBAオールスター2025」のオールスターウィークエンドを開催中の会場で、カイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)が記者会見に応じた。アービングは、負傷欠場となったアンソニー・デイビス(マブス)に代わり、17日開催のオールスターゲームに代替選出を果たしている。

 会見で「もし1日だけNBAのコミッショナーになったとしたら、どんなルールを追加する?」という変化球の質問を受けたアービングは、シンプルながらも切実な回答を返した。

「シーズンを短縮して、オールスターブレイクを長くするね」

 アービングの表情には笑みがこぼれていたが、その回答にはマブスの抱える苦しい現状が垣間見える。ルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)に代わり加入したデイビスが移籍後初戦で負傷離脱した直後、センターのダニエル・ギャフォードも膝のケガで6週間の欠場を余儀なくされた。デレック・ライブリー2世やドワイト・パウエルはデイビス加入前から負傷欠場が続いており、相次ぐケガでマブスのフロントコートは壊滅的な状態となっている。

 昨シーズンのプレーオフではNBAファイナルまで駒を進めたマブスだが、今シーズンの戦績は30勝26敗(ウェスタン・カンファレンス8位)と芳しいものではない。その背景にはビッグマンを中心とした選手の相次ぐケガがあり、アービングはケガの理由の一つとして、NBAのハードなスケジュールによりコンディション調整が難しくなっている現状を暗に訴えた。

 NBAのレギュラーシーズンは82試合が組まれており、チームの中心選手は1試合平均30分以上の出場が求められる。また、折り返しにあたるオールスターブレイクも1週間足らずと短い上に、オールスターに選出された選手はメディア対応も含め同期間で休息がとれない状況にある。

 長年チームの顔であったドンチッチを失い、その直後からケガ人が続出するという厳しい状況に直面しているマブス。この状況下で休息の必要性を切実に訴えたアービングだが、優勝に向けた思いは緩めていない模様。アービングは、オールスターブレイク前のインタビューで次のようにコメントしている。

「シーズンが開幕した時、僕たちは全員で『優勝、優勝、優勝』と唱えていた。今でも同じことを繰り返しているけど、チームに大きな変化が起きた時は、それに適応する期間が必要になる。ケガ人が多いと、そこにも適応期間を要する。僕たちは今、1日1日を乗り切っていくしかない。これが最も難しいことなんだけど、“良い選手”と“偉大な選手”と分けるのはきっとこういう部分にあるんだ」

 マブスはオールスターブレイク明けの22日、ホームでニューオーリンズ・ペリカンズとの対戦を控えている。