2024年末、ついにダニエル・バーガーがアイアンのテストを敢行する時がやってきた。それまで長い年月にわたり、バーガーはGolfWRX.comが「モダンクラシック」と称した2011年製のテーラーメイド「ツアー プリーファード MC フォージ…

13年間にわたり愛用したアイアンをついに変更したダニエル・バーガー(Getty Images)

2024年末、ついにダニエル・バーガーがアイアンのテストを敢行する時がやってきた。

それまで長い年月にわたり、バーガーはGolfWRX.comが「モダンクラシック」と称した2011年製のテーラーメイド「ツアー プリーファード MC フォージド アイアン」と長い関係を築いてきた。この古いアイアンの在庫が少なくなった時でさえ、オンライン上にて不特定の売り手から交換用のストックを調達していたほどだ。

2024年末、この古いアイアンが、いまだに彼にとってベストのパフォーマンスを発揮しているかを確認する機会が訪れた。「かなり久しぶりにクラブのテストを行いたいと思い立った」というバーガーに対し、コーチのジェフ・リーシュマンがテスト用に5機種のアイアンセットを持ち込み、練習レンジで弾道測定機を使いながらテストを行ったのである。

テーラーメイド「ツアー プリーファード MC フォージド アイアン」(提供:GolfWRX)

結果的に、ショートアイアンに関しては「ピッチングウェッジから7番アイアンはとても似ていた」と、古いモデルは現代のテクノロジーに遜色ないパフォーマンスを見せた。一方、ロングアイアンにおいては、新しいピン「ブループリント S アイアン」を使用して大きな違いに気がついたという。

バーガーは「ザ・ジェネシス招待」を前に、GolfWRX.comに対し、次のように述べた。「6番、5番、4番と進んでいくと、弾道の頂点の高さやスピンの一貫性に関して、ピンが一番良かった。それでこのアイアンをバッグに入れ、少なくとも1カ月はこの新しいセットにチャンスを与えてみようと思ったんだ。数回酷いショットを打つだけで、古いセットに戻したくなることはあるからね。だから、とにかく使い続けるようにしたのだけど、これはかなり気に入ったので、しばらくバッグに収まることになりそうだね」

ピン「ブループリントSアイアン」(提供:GolfWRX)

バーガーは2025年「ソニーオープンinハワイ」で初めて「ブループリントS」を実戦投入し、今年に入りわずか4大会の出場で、早くも変更が功を奏し始めている。「ザ・アメリカンエクスプレス」を21位タイで終えると、「WMフェニックスオープン」で2位タイに入り「ジェネシス招待」の出場権をゲットしたのである。グリーンを狙うショットのスコア貢献度を示すストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーンにおいても、2024年の62位から43位に改善させている。

長年使用してきた古いテーラーメイドのアイアンと、袂(たもと)を分かつのは難しくなかったのだろうか?

「ピンのアイアンがどれだけ優れているのかを目の当たりにしただけに、あれを手放すのは、そこまで難しくなかったよ。テーラーメイドのアイアンでは、4番アイアンの頂点の高さが90フィートほどだったけれど、それは何てことはない高さだったんだ。パー5や長いパー3で(グリーンにボールを)止める力はなかったからね。それでピンをテストしてみると、125フィートほどの高さが出たので、長いショットでの止める力に大きな差が出たんだ。それだけにこれは簡単な決断だったよ」とバーガー。

2024年に発表されたピンの「ブループリントS」は、鍛造キャビティバック構造と薄いトップライン、そしてアドレスでの最小限のオフセットにより、プロとアマチュアの両方に人気を博している。そして今、このクラブはバーガーにとってもお気に入りのモデルにもなった。

バーガーが“長く使うつもり”と言うとき、果たして実際にどれくらいの期間になるのか考えると、恐ろしさすら込み上げてくる。前回の「ツアープリファードMC」では、それが約13年間だった。我々としては、新しい「ブループリントS」では、それがどれだけの長さになるのか、つい考えてしまうのである。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)