米女子ツアー初参戦選手の可能性(3) 昨年12月の最終予選会をクリアした岩井明愛、岩井千怜、馬場咲希の3人も、今季から米女子ツアーに参戦する。彼女らの可能性、課題についても、JLPGAの永久シード保持者である森口祐子プロに検証してもらった―…
米女子ツアー初参戦選手の可能性(3)
昨年12月の最終予選会をクリアした岩井明愛、岩井千怜、馬場咲希の3人も、今季から米女子ツアーに参戦する。彼女らの可能性、課題についても、JLPGAの永久シード保持者である森口祐子プロに検証してもらった――。
岩井明愛(いわい・あきえ/22歳)
JLPGA 2024シーズン=メルセデスランキング3位。ツアー通算6勝
岩井明愛さんは、超アスリート系。パワーでコースを攻めていくタイプです。トラブルになって、横に出したほうがいいんじゃない? というシーンでもピンを狙っていくゴルフをします。アメリカのギャラリーは、そういうアグレッシブなプレーヤーが好きなので、人気者になるかもしれません。
岩井姉妹は、お互いに刺激し合えるいいライバル関係がありますから、今回姉妹で参戦できるのはよかったと思います。トレーニングとか、キャッチボールなどもふたりでやっている姿をよく目にしますしね。
アマチュア時代からふたりとも脚光を浴びてきて、ツインズならではのアピール効果もあります。コルダ姉妹(ジェシカ&ネリー)のように、アメリカでも話題になるのではないでしょうか。
岩井千怜(いわい・ちさと/22歳)
JLPGA 2024シーズン=メルセデスランキング5位。ツアー通算7勝
岩井千怜さんのスイングは、クラブが体にリンク。上下運動が少なく、非常に滑らかなスイングで、ボールコントロールがうまい選手です。
メンタル面もそのスイングに似ているというか、あまり物事に動じることがなく、冷静なタイプといった印象があります。姉妹で言えば、パッティングがうまいのも千怜さんのほうですかね。
こういったタイプは、海外で環境が変わってもわりとマイペースで、自分の力をそのまま発揮できるのではないかなと思います。
米女子ツアーでの大いなる躍進が期待される馬場咲希
photo by Getty Images
馬場咲希(ばば・さき/19歳)
2024シーズン=米女子下部ツアーランキング18位。ツアー未勝利
2022年に全米女子アマを制覇。その勝ち方が余りにも鮮やかだったため、一気に注目を浴びることになりました。そうした周囲の目、多大な期待によって、その後は思うようなプレーができなかったり、結果も出せなかったりして、本人も「苦しいゴルフが続いています」と言っていますよね。
最終予選会でも、最終日に1mくらいの距離で3パットをしているのを見て、今はスコアを作る難しさを感じながらやっているのだろうな、と思いました。それでも、最終日の最終18番ホールで8mくらいのバーディーパットを決めて、今季米ツアーの出場資格を獲得。大きな意味のあるパットを入れたことは、今後につながるという意味でも、とてもよかったと思います。
昨年は米下部ツアーのエプソンツアーに参戦。惜しくもレギュラーツアーへの昇格対象から漏れたものの、こうして最終予選会を突破して初参戦の権利を得たのですから、「苦しいゴルフ」を続けた一年間は無駄ではなかったということでしょう。経験済みのアメリカでの生活や英会話も含めて、馴染んできた頃かと思いますので、活躍が楽しみです。
身長175㎝、手足も長く、日本人離れした身体の持ち主の馬場さんですから、欧米の選手のなかでも体格的に引けを取ることはありません。同じスケール感の海外の選手からさまざまなことを吸収することで、大きな飛躍が期待できると思います。